第147幕
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海達が台所で楽しげに飯を作っている声を背にしながら暇そうにテレビを見つめる。
さっきまでは海と2人きりだったから構ってもらえていたのだが、今はお妙と神楽を構っているのせいで俺は1人放置プレイされていた。
「銀さん、海さんってなんであんなに料理上手いんですか?」
先程まで台所の方にいた新八が俺の前にあるソファへと腰を下ろす。
「いつの間にか上手くなってたんだよ」
「珍しいですよね。男の人で料理が上手いだなんて。僕も一応は作りますけど、あんなにレパートリーないですし、そんな美味しく作れないし」
「あいつは1度興味を持つととことんやるからな。納得いくまで続けっから」
興味のあることには貪欲になるタイプの人間。気になればずっと調べているし、身につけるためならどんな努力も惜しまない。
それは海の良いところなのだが、夢中になりすぎて周りが見えなくなる所が心配になる。
今だってそうだ。自分が頼んだ事だとはいえ、神楽とお妙に教えるのに夢中な海は自分が見回りの途中なのを忘れているだろう。
机の上にぽつんと置かれている携帯がさっきから震えていることに彼は気づいているのだろうか。
震え続けている携帯へと手を伸ばして画面を開く。そこには海の上司である土方の名前。
「海くんは今電話に出られませーん」
「ちょ、銀さん!?いいんですか!?」
ブツっと勝手に携帯の電源を落とすと静かになる。パタンっと携帯を閉じて机の上へと戻すと、新八が驚いた顔で俺を見る。
「たまにはいいだろ。いつも働き詰めなんだからよ」
「それはそうかもしれませんけど……後々怒られませんか?」
「そんときは俺が文句言ってやっから気にすんな」
「それ海さんに怒られそうな気がするんですけど」
「飯作るのに夢中になってる海が悪い」
「アンタが頼んだんだろうが!!」
あー、俺は知りませーんと耳に指を突っ込んで聞こえない振りをすれば、新八に大人気ないと怒られた。まだ終わる気配のない海たちの料理勉強会。
「(楽しそうにしてんのもいいけどよ、放っておかれんのも寂しいもんなんだよな)」
ソファに横になって天井を見つめる。モヤっとする気分をどうしたものかと考えている間に眠りへと落ちていった。
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