第168幕
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『お待たせしました……』
「え、銀さんに何があったの?!海くん、何したの!?」
『俺は何も』
気絶している銀時を引き摺りながら海は将軍の元へと戻った。パタッとうつ伏せに倒れた銀時に長谷川が慌てて駆け寄って顔をぺちぺちと叩いていた。
「桜樹……似合っているぞ」
『はい?』
頭からつま先まで見た将軍が緩い笑みを海に向けながら頷く。海は将軍の言葉に首を傾げた。
「桜樹の水着姿も中々乙なものだな」
『は、はぁ……』
自分の海パン姿にどんな趣があるというのか。理解の追いついていない海はただ疑問符を浮かべ続けた。
『泳ぎに行かれますか?』
プールで楽しく遊んでいる神楽たちを羨ましそうに眺める将軍。その側へと寄り添うように立つ海。
「かの者たちの仲間に余も入りたいのだが……」
『え"』
かの者たち。それは神楽たちということ。うずうずしながら海の返答を待つ将軍に海は冷や汗を垂らし、なんて答えるべきかと迷想した。
あの集団の中に将軍を入れるのは避けたい。絶対に避けねばならない事態。
『(どうすんだよ……)』
ちらりと銀時の方へと視線を向けると、痛そうに腹を抱えながらも将軍と海の話を聞いて顔を青ざめている銀時と目が合った。
「(いや、無理だろ。あんなところに将軍なんか入れられるワケないだろ!入れたらアレよ?将軍二度と表に出れなくなるよ!?)」
市民にいじめられた、という理由で。
「海ッ!ここは……俺がなんとかする!」
『銀時……!』
考えあぐねてある海の頭へとかけられる上着。銀時は浮き輪を片手にプールへと入り、単身で神楽たちの輪の中へと行った。
「と、とりあえず!海くん!将軍に水中メガネと帽子!!」
『あ、は、はい!』
ぼけっと、銀時の後ろ姿を見つめていたところに長谷川が焦燥の声色で急かすように海に声をかける。我に返った海は急いで窓口へと戻り、水中メガネと帽子を借りてきては将軍に着けるように促した。
「これで良いのか?」
『ええ……それで大丈夫です』
「うむ。桜樹は付けなくて良いのか?」
『自分は泳げ……こほん、泳がないので大丈夫です。こちらから将軍の御身をお守りいたします』
途端に将軍の顔は曇る。今度はなんだ?と焦る長谷川。
「桜樹、今日はお忍びで来ているのだ。その呼び方はやめないか?」
『え?あ、すみません……』
「私のことは……"しーちゃん"と呼ぶように」
『しーちゃん……?』
きょとんとした顔でしーちゃん、と将軍を呼ぶ海。満足気に頷く将軍に長谷川は「(この人、自分の立場使って海君に可愛らしく呼ばせてるよ!!ちょ、銀時さぁん!!?)」と口をあんぐりと開けていた。
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