第168幕
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「海、水着は?」
『持ってきてない。突然呼び出されてここに来たからなんも準備はしてない。それに俺まで遊ぶわけにはいかないだろ』
準備運動をしている将軍を横目に海は隊服の上着を脱いだ。目の前では、神楽たちが楽しげに遊んでいるのが見える。それを微笑ましそうに見つめる海に銀時は口を尖らせた。
「いいじゃねぇか。海も遊ぼうぜ?将軍だって海と遊びたいかもしんねぇじゃん?」
『俺は護衛でここに来てる。目を離した隙に何かあったら厄介だ』
「大丈夫だっつの。こんだけ腕のたつ奴らがいたら襲われたとしても追い返せるだろ」
近藤に柳生、月詠に何故か桂の姿もある。これだけ勢揃いしていればなんの問題もないと胸を張る銀時だったが、海は首を縦に振ることは無い。
『俺は入らない』
「……まだ怖いのか?」
キッパリと断る海に銀時はぽつりと呟く。その言葉に海の体が小さく揺れた。
『別にそういうわけじゃ……』
「ここはちゃんと足つくからなんも怖くねぇよ?なんなら俺がずっと側に居てやっから」
『だから、俺は護衛でここに来てるだけであって!』
「はいはい。頑固な海くんは早くお着替えしちゃいましょうねェ」
『おい!銀時!!』
違うと否定してみるものの、にやにやと口元を緩ませた銀時は海の肩を押して歩かせる。二人が向かった先は更衣室。海が持っていた隊服の上着を銀時は適当にロッカーの中へと入れると、駆け足で更衣室から出て行った。
暫くして戻ってきた銀時の手の中には海パンとパーカー。
「ほらこれに着替えて」
『お前俺の話聞いてたか?』
「聞いてた聞いてた。水の中に入りたくないなんて駄々をこねる子にはこうだッ!」
首元のスカーフが取り払われ、それも上着と同じくロッカーの中へと押し込まれる。シャツのボタンを外していく銀時の手を止めようと掴んだが、逆に両手を掴まれてしまった。
『銀!お前いい加減に……!』
「海、ここで全部脱がされたい?」
掴まれている手が銀時の方へと引き寄せられる。耳元で囁かれた言葉に顔を赤くし、己のズボンのベルトへとかけられた手にどきりと心臓が跳ねた。
「どうする?俺が脱がしてやろうか?それとも自分で脱ぐ?」
『じ、自分で脱ぐ、から!』
「そ。じゃあ早くこれに着替えて?」
脱がされるくらいなら自分で着替えた方がマシ。なんでこんな事にと悪態つきながら海はベルトを外し、ズボンのボタンを開けてチャックを下げる。そしてズボンを脱ごうと右足を上げたところで手を止めた。
真横からじっと海を見つめてくる目。
『銀時……』
「ん?どうした?ほら、脱げよ」
『ちゃんと着替えるから先にプールに戻ってろよ』
見られていたら着替えにくいと言えば、銀時は不思議そうな顔で首を傾げた。
「何言ってんだよ今更だろ?海の裸なんて見慣れてんだから気にすんなよ」
『お前は慣れてても俺が慣れてねぇんだよバカッ!』
「グフッ!?」
あっけらかんと答える銀時に海は頬を赤く染めながら右手を振り上げた。銀時の鳩尾にクリーンヒットし、銀時は痛みで悶えながらその場に蹲った。
『早く先戻れ』
「は、ハイ」
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