第147幕
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『は?卵かけご飯?』
「そうなんだよ!!!あんのバカ!毎日毎日卵かけご飯ばっか食わせんだよ!!」
見回りの途中で万事屋へと顔を出せば、銀時にゲッソリとした顔で出迎えられた。
玄関先で固まる俺の腕を力強く引っ張って中へと連れ込まれると、勢いよく頭を下げられて一言。
"頼む!!!!飯作ってくれ!!!!"
それが10分ほど前の言葉。わけも分からず、呆気に取られた俺は言われるがまま台所に立って昼飯を作っている。
「食事当番作ったんだよ、この間」
『あぁ、それか』
野菜を切りながら壁に貼り付けられているカレンダーへと目を向ける。そこには食事当番表として各自の名前が書いてあった。
「神楽が作る飯なんだと思う!?アイツ毎回卵かけご飯なんだぞ!?卵だらけなんだぞ!?!?」
『それは神楽が料理作れないからなんじゃねぇのか?』
「それにしてもだろ!!作れねぇなら自分で調べるとかねぇのかよ!!」
『教えてやるのが1番手っ取り早いと思うけどな?』
ギャーギャー騒いでいる銀時へと牛丼を差し出すと目を輝かせて受け取る。いただきます!と挨拶をしてはかき込むように食べるのを横目にお茶を啜っていた。
「なら海が教えてやってくれよ」
『俺が?俺の料理なんか……』
「海の料理はどれも美味いだろ。教え方も上手いし。神楽もお前からならちゃんと学ぶだろ」
『俺よりちゃんとしてる人の方がいいだろ。調味料とかほぼ適当に入れてるしよ』
今でこそ計量器やグラムが簡単に測れるスプーンなどが出回っているが、昔はそんなものなかった。攘夷戦争時代は食えればなんでもいいという感じだったのだ。
その名残が今でも残っていて、塩や砂糖などの調味料系は適当に入れている。ちょいちょい味見しては継ぎ足したり薄めたりと雑なやり方。
『お妙さんとかダメなのか?新八の飯作ってるんだろ?』
「アイツはダメだ!!!」
お妙の名前を出した途端、銀時は青ざめた顔で首を横に振った。
『なんでだよ。俺なんかよりも作るの上手いと思うけど』
「新八がなんでメガネかけてるか知ってるか……?」
『目が悪いからだろ?』
「その目の悪さはあの女の飯を食い続けた事による後遺症なんだよ」
『何馬鹿なこと言ってんだよ。そんなはずないだろ。夜中に本を読みすぎたとかそういう理由だろ』
「お前はあの女の飯を見たことねぇからそういうんだって!!」
銀時がくわっと目を見開いて叫んでいた時、玄関先の方に人の気配を感じてそちらへと目を向ける。
「誰が新ちゃんの目を悪くさせたって??」
『こ、こんにちは……?』
「こんにちは、海くん。久しぶりね。元気にしてた?」
『お、おう……』
スっと顔を出したのは話の張本人のお妙。その後ろには銀時と同じように青ざめた顔をしている新八と、この状況を把握してない神楽がきょとんとした顔で銀時とお妙の顔を交互に見ていた。
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