第71幕
name change
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「異議あり!そもそもキン肉バスターという技を痴漢行為とすること自体が誤りです。あれはキン肉マンが残虐超人を倒すためにしようした技です。キン肉マンがゴツイ超人相手にいやらしい目的で使用していたとは考えられません」
格闘技をそんな目的で使っていたら選手は涙目だ。何のために技を覚えたのか分からなくなってしまう。
「そもそも!被告人がかけた技はキン肉バスターじゃない。キン肉バスターはキン肉マンがかけるからキン肉バスターなのであって、被告人長谷川 泰三がかけた技は長谷川バスターと言うのが正しい!」
一体今は何を聞かされているのか。
長谷川の痴漢行為は故意に行われたものでは無い、事故によって起きてしまったものだということを説いていたはず。それなのに何故キン肉バスターではなく長谷川バスターに名前を改めろという話になるのか。
『なんか頭痛くなってきたな……』
段々と話の論点がズレ始めている。こめかみ辺りがズキッと痛んだ気がした。
「異議あり!キン肉バスターはキン肉マンが完成させた時点でキン肉バスターなのであり、以後、誰が使ったとしてもキン肉バスターと呼ぶのが正しい」
「異議あり!!キン肉バスターはキン肉マンがプリンス・カメハメから伝授された四十八の必殺技のひとつであり、キン肉マンは開発していません。つまり使用者の名前が頭に来るのであり、実際、アシュラマンが使った際は阿修羅バスターと呼称されていました」
「弁護人の異議を認める」
『そこ認めるのか』
海の一言に役人がちらりとこちらを見遣る。死語を慎めと注意されるのかと思ったが、そんなことはなく、ただこちらを一瞥しただけ。なんとなくその目が疲れているように見えたのは気のせいだろうか。
銀時の弁論が役人に認められ、破牙は悔しそうに顔を歪める。その向かいで銀時は勝ち誇ったように口元を緩めており、その顔に溜息をつきたくなった。
「以後、キン肉バスターは長谷川バスターと呼称するように」
結局、技名は長谷川の名前がつけられる。ただそれだけの事なのに両者は何故かもう数時間戦ったあとのような雰囲気である。そしてその間に挟まれている長谷川も左右のやり取りに目を白黒させていた。
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