第70幕
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「長谷川さん、未だに取り調べは続いてるんですか?」
「あぁ、今日で七日目か。取り調べっつうより恐喝に近いが。否認は続けてるが精神も肉体も限界が来てる。正直もう耐えられる気がしねぇ……」
げんなりとやつれた顔をした長谷川に新八が可哀想な視線を送る。そんな時、長谷川が何かを思い出したのかスっと顔を上げ、幾分か嬉しそうな表情を浮かべた。
「でも、今日の取り調べはそんなにキツくなかったな。昨日までの取り調べはほぼ、俺がやったんだと確信したような言い方だったけど……今日のあの兄ちゃんはやけに優しかったな」
「ふぅん。警察の中にも優しいやつなんかいるんだな」
「あぁ。俺の体調も気にしてくれてよ、早めに終わらせてくれたんだよ」
「そりゃ良かったじゃねぇか。永遠と続く取り調べなんざ地獄のようなもんだからな」
ふと、長谷川の顔を見るとにやにやと笑いながら天井を見上げていた。なんだこの気持ち悪い男は。
「すごく……美人でよ。そうだ確かお前の知り合いだったよな。ちょいちょいお前と一緒に居るじゃねぇか。なぁ、あの兄ちゃんとどういう関係なんだ?」
「あ?俺の知り合い?」
がばっと顔を近づけられて銀時は身を引いた。警察関係者で美人、そして銀時の知り合いといったら一人しか思いつかない。
「海のことか。なんで海がここに……」
「そうそう!海って名乗ってたな!桜樹 海って!ありゃ本当に男なのか疑いたくなるぜ?」
「あー、あいつは歴とした男だ。ちゃんとあいつの股には立派なバナナがついてるから」
「そうか……でも、まぁ、あの顔ならなぁ」
「銀ちゃん、こいつ気持ち悪いネ。絶対痴漢してるヨ」
「銀さん、長谷川さんは有罪確定ですよ」
海大好き二人組は長谷川を冷たい目で見つめる。こいつら敵に回すとめんどくさいことになるということを長谷川も知っておいた方がいいだろう。銀時でさえも目の敵にされる時があるのだから。
「言っとくがあいつには付き合ってるやつがいるからな」
「ええ!?いるの!?」
「いる。これまたかっこよくて頼りになるやつがな」
ドヤ顔で言うと、後ろからべしっと二人に頭を殴られる。
「そうか……いるのか……そりゃそうだよな。あんなべっぴんさんを放っておくわけがねぇもんな」
「当たり前だろうが。どんだけ悪い虫がつかねぇように周りのヤツら潰してきたと思ってんだよ。もうあいつは箱入りだよ。可愛い重箱に入れて愛でて愛でて愛でまくったんだからな」
「……銀さん……海くんの相手ってあんたか。もしかして」
「当たり前だろうが!あいつは誰にもやらん!!」
くわっと長谷川を睨むと、泣きながら銀時の胸ぐらへと手を伸ばしてくる。まさか痴漢だけでは飽き足らず、海にまで手を出そうとしていたのかこいつは。
落ち込んだ長谷川にもう今日は帰って欲しいと言われて、銀時たちは大人しく面会室から出た。
「どうするアルカ、アイツ絶対やってるヨ」
「確実ですね。言い逃れできませんよ」
外に出た途端、新八と神楽は長谷川は捕まって当然だと頷き合う。
「(ほらめんどくせぇ。海のこととなるとコイツら見境ねぇんだよ)」
心強い仲間といえば聞こえはいいが。
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