第55幕
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白熱していくカブト相撲。普通のカブトムシがあんなのに勝てるわけないのに何故か瑠璃丸は健闘していた。というか、身体が小さいから逃げきれているだけというのもあるが。
逃げ続けている瑠璃丸と神楽を総悟は踏み潰そうと畳み掛けてくる。
『神楽!!』
「海!!!」
踏み潰されないように瑠璃丸を身を呈して庇おうとしている神楽。その上から覆い被さるようにして海は神楽を守る。あんなものに踏み潰されようものなら海とて無事では済まない。
「海ィィ!!」
もうダメかと身構えたとき、銀時に大声で呼ばれた。何事かと振り向くと、銀時は総悟が従えていたカブトムシへと飛び蹴りをかましていた。
「ひどいよ……」
『神楽?』
ボソリと呟いた神楽が瑠璃丸をもったまま銀時の元へと駆け出す。総悟も神楽と同じく銀時に近寄り何か訴えていたが、その代わりに二人の頭には銀時のゲンコツが落ちた。
『はぁ……なんとかなったか』
死ぬかと思った。いや、あそこで銀時が来てくれなかったら確実に死んでいた。ホッとした瞬間力が抜けてその場に尻もちをつく。銀時に怒られている二人をボーッと見つめていると不意に銀時はこちらへと顔を向けた。
「ったく……おい!そこに座り込んでるお前!お前もだからな!」
『なんで俺まで』
なぜ怒りの矛先が自分にまで向けられているんだと言えば、銀時はかなり怒った様子でこちらへと歩いてくる。
「心配かけさせんじゃねぇ」
ぐっと眉間にシワを寄せて怒る。いつもの軽い感じではなく本気でキレていた。
『……悪かった』
「悪かったじゃねぇよ。あんなのに踏み潰されたら一溜りもないだろうが。お前もう少し考えて動けないの?」
『悪かったって言ってるだろ。そんなに怒らなくても……』
いいだろ。までは言葉にならなかった。
「ちょっとそこに正座しろ海」
完全に火をつけてしまった。腕を組んで仁王立ちしている銀時は海を冷たい目で見下ろしている。やってしまったと後悔したが既に遅い。
素直にその場で正座をすれば銀時からグチグチと説教を受けた。近藤が止めに入るまで続けられ、帰りにはぐったりと疲れた。
その後、銀時によって瑠璃丸は粉砕。
松平に呼び出されて海はそこでも怒られた。
何度も頭を下げて謝ったおかげか罰を受けずには済んだ。その代わり今度将軍のお遊びに付き合うようにと命じられ渋々それに応じることとなった。
将軍のお遊びには慣れているが、そこに松平が加わると嫌な予感しかしない。
『カブトムシの次はなんだよ……』
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