第55幕
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「おい、なんの騒ぎだ」
「あっ……お前ら!こんなところで何やってんだ?」
それを聞きたいのは近藤と土方の奇行を見てしまった銀時らだろう。カブトムシの被り物を着ている総悟を助け起こしてる朔夜を見ながら海はそっとため息をついた。
「何やってんだって……全身ハチミツまみれの人に言う資格があると思ってんですか?」
「これは職務質問だ。ちゃんと答えなさい」
「職務って……お前、どんな職務についてたらハチミツまみれになるんですか?ハニー」
ちらっと銀時に見られるも何も答えられず顔を逸らす。将軍のペットを探しているなんて不用意に言ったら何をしでかすか分からない。
「大体、そこのゴリラはいいとしてもなんでこいつまでハチミツまみれなんだよ。なに?そういうプレイなの?真選組ってそういうプレイしてんの?こいつにそういうプレイしていいのは俺だけだからね?」
「どういうプレイだ!!!てか、おい!海!なんでお前そっち側にいんだ!」
『そっち側にいるも何もお前に放置されてたせいでこっちは大変だったんだからな?蜜の匂いに誘われてよく分かんねぇ虫にたかられてたんだから』
土方のせいで虫に襲われていたのだとキレると土方は何故か顔を赤くして口をパクパクと動かす。
「え、何?お宅、海くんが虫にチョメチョメされるの想像したの?え、やだー」
あんな奴は見ちゃいけませんと銀時に抱き込まれて視界が覆われる。もう疲れたから好きにしてくれと脱力していると土方に怒鳴られた。
「いいからこっち来い!てめぇは仕事放棄すんのか?あ?」
『放棄なんかしてない。大体、お前のやり方で見つかると思ってんのか?さっきから言ってるが、マヨネーズを木に塗るなんて頭沸いてるだろ。近藤さんの蜂蜜まみれの方がまだ効果ありそうじゃねぇか。そもそもなんで将軍のペッ──』
トを探す仕事なんて請け負ったんだと文句を口にしようとした瞬間、口元にぐにゃりとしたものが押し付けられた。
「海!それ以上はダメだ!これは極秘だから。お仕事だから!」
ぐっぐっと蜂蜜まみれの手を押し付けてくる近藤にぞわりと鳥肌が立つ。口の中に入ってくる蜂蜜がなんとも気持ち悪い。
「おいおい。そんなもん押し付けんなよ。いくら甘党でもそれは気持ち悪いわ」
ギョッとしながら銀時は近藤の手を叩き落とす。そんな事をすれば銀時の手にも蜂蜜がつくわけで、べとりとくっついたものを銀時は嫌そうに眺めた。
『……山崎』
「はい!海さん、どうしました?」
『水くれ。今すぐに』
「は、はい?」
木の上で待機していた山崎を呼び寄せて水を持ってきてくれと頼む。戸惑いがちに頷いた山崎は瞬時に用意していたペットボトルを手にして戻ってきた。
「だ、大丈夫?」
『はぁ……当分蜂蜜は見たくないな』
「はは……そうだね」
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