第60幕
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「ヤバい!あの人本当にとんでもなく強い!近藤さん、海さん助けに入りましょう!」
涼し気な顔で土方を一方的に攻撃する北大路。そんな状態に新八が痺れを切らして声を上げるが、近藤はただ二人をじっと眺めるだけ。
『一対一の対決に他人が手を出すのは野暮だ。心配かもしれないが今は見守るしかない』
「でも!」
「海の言う通りだ。お妙さんの身が懸かっている戦いで言えた義理じゃねぇが、あれは人一倍負けず嫌いだ。手ェ出したら俺たちが殺される」
「負けず嫌いって……このままじゃ土方さん負けますよ!?」
「そうかもしれん。しかしトシに加勢することは俺があいつを信じないということだ。ただのケンカ剣法じゃあれにゃ勝てねぇのはあいつが一番知ってるさ。なぁ、トシよ」
近藤の言葉を聞いても納得出来ないと悔しげに歯噛みする新八に苦笑いを漏らす。
『心配するなと言われても難しいと思うけど……あいつの事を信じてやってくれないか?普段があれだからふざけた奴に見えるかもしれないけど、毎日攘夷浪士共を相手してるやつだから。腕っ節には自信がある。今はちょっと相手したことのないタイプの人間だから戸惑ってるけど』
土方ならきっと打開できるはず。これまで色んなやつと剣を交えてきたのだ。その度に土方は学び強くなってきている。彼が今までしてきた努力は信用に値する。
「海さんは土方さんが負けないって信じてるんですか……?」
『勝ってもらわなきゃ困る。これだけ信じてるんだから。こんなところで土方が倒れるわけない』
「海がそんなにトシのことを信じてたなんて意外だな」
『何でだよ。そんなに信用してないように見えてたのか?』
「違う違う!海は強いからなんでも自分で解決しちまうだろ?だから俺たちのことを必要としてねぇのかなぁって……」
『そんなふうに思ってたのか』
「え゙っ、いや、その……」
『一人でなんでも出来るなら真選組に入らない。それに自分の限界は自分がよく分かってるから。土方や総悟にはいつもフォローしてもらってる。だからこそ二人が強いことも知ってる。近藤さんにも今まで助けてもらってばかりだったし、だから負担かけないようにできる限りの事は自分で済ませようと思ってた』
「海……!」
『だから別に近藤さんたちのことを必要としてないわけじゃ──』
「海ィィィ!!」
突然大声で呼ばれてビクリと肩が揺れる。何事かと近藤の方を見るとダラダラと涙と鼻水を垂れ流しながら嬉しそうに笑っていた。
「俺ァずっと海のこと誤解しちまってた!そうか……そんなに俺らのことを思っててくれたんだな!」
『普通のことじゃねぇのこれ……』
号泣する近藤にタジタジになりながら新八に同意を求めるように問いかけると、新八は引き気味に首を傾げるだけ。
「何やってんだお前ら」
「土方さん!」
『終わったのかそっち』
「ああ。人が必死こいて皿守ってる間にてめぇらはなに遊んでやがる」
いつの間にか決闘を終わらせていた土方が不服そうにタバコを吸う。
『お疲れ。どうだった?』
「どうもねぇよ。セレブだなんだって言ってるが所詮その程度なんだろう」
『土方にはちょっと物足りなかったか』
「まあな。お前の相手してる方がやりごたえがある」
『そりゃ光栄なことで』
対決が終わった安心からかヘラりと笑いが込み上げる。
「トシ!聞いてくれよ!海が俺達のこと信用してるって!」
「あ?何の話だ」
『あー……気にしなくていい。この人なんかよく分かんねぇ誤解してたみたいだから』
「なんだ誤解って」
近藤が変なことを言うもんだから土方は海に疑いの目を向ける。その目から逃れるように新八へと声をかけた。
『これで一勝だろ。神楽と銀時はどこ行ったんだ?』
「銀さんはどっかに行っちゃって……か、神楽ちゃんもどこにいるか分からなくて」
『そうか。じゃあ探しに行くとするか』
「おい、待て。どういう事だ。お前今まで信用してなかったのか」
『行くぞ新八』
「えっ、でも……」
『いいから。説明するのもめんどくさい』
「したほうがいいんじゃないですか?また誤解が生まれますよ?」
『必要ない。一々言うことでもないだろ』
「まさか海さん……照れてるんですか?」
『……別に』
「どこの沢○エリ○ですか。てか分かりづらいわ!」
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