第76幕
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「は?なんで入れないわけ?」
「今はダメなんですよ旦那」
新八たちと別れて屯所へと来た銀時は門前で総悟によって足止めを食らっていた。
「いいじゃん。あの口うるさい副長さん居ないんだから」
「それでもダメなものはダメです」
「それなら海呼んできてくれよ。あいつに用がある」
「後で伝えとくんでここで言ってくだせぇ」
「お前じゃ話になんないから。本人呼んできてくんない?」
海をここに連れてこいと言っても総悟はひたすら首を横に振って拒否。いつもなら何も言わずに中に入れさせるのに。
「なんなの?なんかやってんの?」
「ええ。これまたでっかい祭りをやる予定なんで。その準備で今忙しいんですよ」
「へぇ。祭りねぇ。そんなことしてるよりお宅の副長さんどうにかしたらどうよ。今日テレビ見た?ウチの新ちゃんと喧嘩してたよ?なんかよく分かんねぇフィギュア持ってさ」
「そりゃ有名になったもんで。流石うちの副長」
「褒めてねぇよ」
これでは埒が明かない。もういっそうのこと総悟を倒してでも中に入るべきか。
「旦那、今はまずいんですよ」
「何がまずいんだよ」
「事情は話せません。なのでこのまま帰ってください」
「こちとら海との電話で嫌な感じしてんの。本人と話すまでは帰らねぇからな」
「海さんと話したんですか」
「あ?したけど?」
「あの人は──」
「総悟!と万事屋か」
総悟が何かを言いかけたところで中から近藤が顔を出した。どこか焦った様子の近藤に総悟と共に首を傾げる。
「丁度良かった。お前ら海見てないか?」
「海さん……ですか?」
「おう。さっきまでいたんだけどよ。どっか行っちまったみたいで」
「は?ここにいないの?」
「部屋にいると思って見に行ったんだけど居なかったんだよ。朔夜も部屋に居ねぇし……どこ行ったんだか」
──屯所から出られない。
海はそう言ったはずだ。忙しくて屯所から出られないと。それなのに近藤に探されているとはどういうことなのか。
「お前らさ。さっきから何やってるわけ?」
「え?何がだ?」
何かがおかしい。でもその何かが分からない。近藤に土方のことを聞いても渋い顔をするだけで何も話そうとしないし、総悟は銀時のことを厄介者扱いして追い払う始末。
今は忙しいから後にしてくれと追い出され、バタンと門を閉じられてしまった。
「こいつら何やってんだよ」
結局、海に会えないまま銀時は新八たちがいるであろう鍛冶屋へと歩を進める。モヤモヤした気分をそのままにして。
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