第79幕
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神楽と朔夜に斬りかかろうとしている浪士を片っ端から斬り伏せていく。行く手を阻むのであれば誰であっても容赦しない。
子供らが唖然とした顔でこちらを見ていたが何も言わずに横を通り抜ける。
『邪魔なんだよ。そこを退け』
「き、貴様!!」
刀を横に振れば面白いほど簡単に首が落ちていく。列車の中にいた浪士たちは皆一様に首を無くして倒れていく。胴体から噴き出す血はまるで噴水のようだ。
『こんなんじゃ見れたもんじゃないけどな』
漸く列車を出れたかと思えば、頭上から銀色が降ってきていることに気づいた。
その姿に瞳が揺らぎ、持っていた刀を地面へと突き刺す。近づいてくる身体へと両手を伸ばして受け止める。
「うおっ!え、なに!?」
『何やってんだよお前は』
「海!?お前無事だった……海?」
海の目をじっと見た銀時は何かに気づいてハッとしていた。
「海お前……!」
『何があった。原因はあれか?』
頭上ではヘリのけたたましい音。銀時はあれを落とそうとして落ちてきてしまったのか。
横抱きにして抱えていた銀時をゆっくりと地面に下ろして刀を手に取る。
「海!動くな!お前……怪我してんじゃねぇか!」
『これくらい気にするまでもない。それよりあれをどうにかするのが先だ。銀時は下がってろ。俺が護ってやるから』
護らないと。でないと失ってしまう。怪我なんて気にしている暇は無い。今は目の前の敵を倒すことに集中しなければ。
じゃないと、じゃないと。
銀時が持っていた木刀に何かが巻きついているのが見えた。それは以前、万斉とやりあったときにも見たものだ。木刀を力任せに引っ張れば、ヘリがこちらへと近づいてくる。浪士がヘリの操作を誤ったのかぐらりと傾いた。
地面へと激突する直前に刀を向ける。真っ二つに割れたヘリは爆風を伴って海たちの横を滑って行った。
「海、大丈夫か!?」
振り返ると銀時が切羽詰まった表情で駆け寄ってくる。あれだけ騒げるのであれば大丈夫だろう。
「しっかりしろこんのバカ!なんであんな無茶なことすんだよ!てめぇは死にたいのか!」
『銀時』
「なに!?なんか文句でも──」
『ちゃんと生きてるな?』
「は……?」
そっと銀時の頬へと手を伸ばす。じんわりと感じる温かさに生を感じてホッと胸をなでおろした。無事だと分かっていても、触って確認しなければ安心出来なかった。
「生きてるに決まってるだろうが!お前こそ……もうそんな身体で動くな。俺より海の方が……」
『まだ動けるから問題ない。ああ、でも少し疲れた……な』
ヘリを相手にしたのは始めてだ。そのせいかどっと疲れが出た。それに右足も限界を迎えたのか痛みでわけのわからないことになってきている。
「お、おい!海!!」
『少し休むから……大丈夫だから』
カクンッと身体から力が抜けて銀時へと寄りかかる。しっかりと抱きとめられた安心感でそのまま意識が飛んだ。
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