第79幕
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
海を車両へ行かせた後にパトカーから投げ出されて地面へと転がりながらも着地する。なんとか無傷で立ち上がった時に横から突っ込んできたバイクに木刀を振るった。
「面白い音を出すな、お主。でたらめで気ままで捉えどころのない音はジャズにも通ずるか。いや、それにしては品がない。例えるなら酔っ払いの鼻歌でござる」
「てめぇ、高杉のとこにいた野郎だな。しかもあいつの背中に消えねぇ傷跡作りやがって」
眼前の男を睨みつけて言えば、相手はただ黙って銀時を見る。
「おい、人と話す時はヘッドホン取りなさい」
「坂田 銀時……いや、白夜叉。それに桜樹 海……蒼き閃光が何ゆえ真選組にいるでござるか」
「てめぇ、聞こえてんじゃねぇかよ。あの男はてめぇらの息がかかった者みてぇだな。真選組の実権握らせて幕府の間者とするつもりか?」
「背信行為を平然とやってのける者を仲間にするほど拙者たちは寛容にござらん。また、信義に背く者のもとに人は集まらぬことも拙者たちは知っている」
「じゃ、あの男は……」
「哀れな男でござる。己が器量知る時はもう遅い。全て砕け散ったあとだ」
男が言葉を切った後に背後から轟く爆発音。音がしたのは列車が向かった先。
海達が乗っている列車が爆破されたのだ。
「海……!」
「眠るがいい伊東。真選組もろとも」
黒煙が上がる先を見つめる。良かれと思って列車に乗せたのにまさかこんな事になるなんて。
「冗談じゃねぇぞ……」
これでもし海たちの身に何か起きたら。銀時はこの日のことをずっと恨み続けるだろう。
爆破された列車へと無我夢中で走る。後ろから男がが追いかけてきているのが見えたが、今は奴に構っている余裕は無い。一刻も早く海たちの元へ駆けつけなければ。
列車には海だけでなく、新八や神楽も乗っている。
きっと海は子供らを守ろうとするだろう。あれだけの怪我を負っていたのに近藤を守ろうとしたように。
海にとって自分自身は二の次になってしまう。側に守る対象が居たら二の次どころではなくなる。
「頼むから無茶だけはしないでくれよッ!」
襲ってくる浪士たちをなぎ倒しながら列車へと走る。
「邪魔すんじゃねぇ!」
まとわりついてくる浪士らが鬱陶しい。振り払っても引っ付いてくるやつらに舌打ちを漏らした。
.