第78幕
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土方と伊東がやり合っているのを見守りながら、海は時折周囲に目を向ける。ちらほらと見える鬼兵隊の姿。彼らがまだここにいるということは、晋助のあの部下もここにいるということだ。
「誰か探してんのか」
人を探しているのが銀時にバレ、訝しげな顔で見られる。
『ここに晋助の部下の一人がいる』
「高杉の?」
『チラッと見ただけだから見間違いってのもあるけど……』
でもあの特徴的な見た目を見間違えるはずもない。あれは確かに万斉だ。
「で?」
『で?ってなんだよ』
「だからそいつ探し出してどーすんの」
『そりゃ晋助の居場所聞いて』
「聞いて?それから?」
銀時に問われて海はきょとんと固まる。
『それから……えっと』
「考え無しに動くのやめてくんない?お前忘れたの?高杉に拉致されたこと。あいつはお前を鬼兵隊に引き入れようとしてんだからね」
覚えてはいる。晋助に薬を使われて連れていかれたことは。その後のことは上手く思い出せない。ただ、銀時と桂が助けてくれたというのは教えてもらった。
「指名手配だから捕まえなきゃいけないってのは分かるけど、それは他のやつに任せてくんない?海がわざわざ出向く必要はないだろ」
前回のことがあるから近づけたくないのだろう。銀時は万斉を探しに行くことを決して許しはしない。
「それに海はあのストーカー野郎を助けに来たんでしょうが。あいつほっぽって高杉の仲間を探しに行くのはちょっと違うんじゃない?」
銀時の言う通りだ。今は近藤の身の安全を確保するのが最優先。伊東はまだ土方とやり合っているし、鬼兵隊も動いている。まだ近藤は安全とは言えない。
『……分かった』
「ん。その代わりに俺が行ってくるから」
『銀時が?』
「そ。だってお前これやられっぱだろ?」
腰にあった手が背中へと回り、古傷を撫でる。
「これの分は返しておかないとな」
『意外と根に持つんだな。これこそ忘れてるもんだと思ってた』
「忘れるわけないだろうが。人が知らねぇところで勝手に傷つけやがって。人のものに手を出した罰は受けてもらわねぇと」
ムッとした顔で言う銀時に海は吹き出す。
『そんなに怒ってるとは思わなかった。じゃあアイツのことは銀時に任せるとする』
やられた海より銀時の方が怒りを感じているなんておかしい話だ。
この場は銀時に任せて海は列車へと戻る。いつの間にか総悟と土方も近藤の元に戻ってきており、真選組のトップが勢揃いしていた。
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