第78幕
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『原田、ありがとな!あとはそっちの方の沈静化頼む!』
「はいよ!」
晋助の部下が乗っていた車両を追いかけていたが、途中で見失ってしまい、結局海は列車の後方へと来ていた。そこには呆然としている近藤と土方の姿もある。
『そっちは大丈夫そうだな』
「海!無事だったんだな……!」
『こんなんでくたばると思ったのかよ』
「そんなことは思ってないが……でも」
『心配はいらない。それより銀時、お前も来てたのか』
何故か真選組の隊服を着ている銀時。片手にはバズーカも持っていた。
「来てたのかじゃねぇよ。お前変な電話の切り方しやがって。どんだけ心配したかと思ってんだよこのタコ!」
『その件については謝る。でもこっちもこっちで忙しかったんだよ』
銀時が怒るのもしょうがない。海もあんな切られ方をされたらどうしたのかと不安になる。
正直に話せばきっと銀時は更に怒るに違いない。今は話を逸らしておいたほうがいいだろう。
『土方のこと連れてきてくれたのか』
「そうだけど?なに?いらなかった?」
『いや、助かった。大分手間かけただろ』
「手間どころの話じゃないけどね。こいつにどれだけイライラさせられたか」
『それは悪かった。後で慰謝料でもなんでもふんだくってくれ。土方の懐から出させるから』
「俺は海からも貰いたいくらいなんだけどね?」
ムスッとした顔で銀時は海を睨む。これは一言二言謝ったくらいでは許してくれ無さそうだ。
「なんか言うことあるんじゃないの?」
パトカーから銀時は海へと手を差し出す。その手を取るか否かを悩んでいると、後ろからとんっと背中を押された。
「行ってやれ。万事屋も随分と心配してたみたいだから」
近藤に促されて頷く。伸ばされている手を取れば、力強く引っ張られて銀時の足の上へと飛び乗った。
「で?」
『……心配かけてごめん』
「ん、無事でよかった」
優しく抱きしめられてむず痒さが生まれる。もっと怒られるのかと思っていたのにこんなにあっさりと許してもらえるとは。
「この怪我なにしたの」
『その……少し殴られた』
「少し殴られたくらいじゃこんなにボロボロにならないでしょうが」
全身痣だらけで、着ている服も薄汚れているし所々血が滲んでいる。誰がどう見ても少し程度のものではない。
でも正直に拷問されたといってもいいものなのか。
「何されたんだよ」
『拷問……されてた』
ここで隠しても後々になってバレそうだ。それならば今正直に言った方がいいと判断して言ったのだが、銀時は海の言葉を聞いてから黙りこくってしまった。
『銀?』
「誰にやられた」
『もういない』
「どういう意味それ」
『さっき全員斬ってきた。やり返してあるから問題ない』
「海は満足しても俺は許せないんだけど」
抱いている腕に力がこもる。本気で銀時は怒っているらしい。
『銀時が怒るほどでもない。下手くそな拷問だったし』
「拷問に下手もクソもないだろ。殴られただけ?他には何されたの?」
全部正直に言うまで離さないというようにがっちり腰を抱かれる。これはめんどくさい事になった。やはり話を逸らした方が良かった。
近藤の方に助けを求めるように視線を送ったが、苦笑いを返されるだけで助けてはもらえず、土方にいたっては何故かこちらを睨んでいるだけだった。
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