第77幕
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「真選組内で今、何かが起きている。そういうことですか?もしかして土方さんもそのせいで真選組をクビになったんじゃ……」
オタクと化した土方を連れて歩きながら万事屋へと帰る道すがら。銀時は土方の先程の言葉を思い出していた。
自分を庇って頭を下げた。
それがどういう意味なのかがはっきりとわからない。土方の胸ぐらを掴んで海に何をさせたんだと問い詰めても、もう彼の中には土方としての自我はなく、オタクとして落ちぶれた人格しか残っていなかった。
海に会おうとしても総悟に止められて会えない。
「銀さん、土方さんが僕達に頼み事をしてくるくらいです。何かやばいことになってるんですよ。それに海さんに会えなかったってどういうことですか?屯所に居るんじゃないんですか?」
新八の問いに答えられなくて頭を抱える。その答えを聞きたいのは銀時自身なのだ。
本人に問い詰めたいことは山ほどある。土方のことも電話でのことも全部ちゃんと説明してほしい。
でもそれ以上に声が、無事な姿が見たい。もうこの際会えなかった理由はなんでもいいから。書類に追われていたでも、攘夷浪士のテロ事件に鎮圧をしていたでもなんでもいい。
無事でいるならそれに越したことはないから。
「あの……坂田氏、悪いんだが」
「うん?」
土方に呼ばれて足を止めて振り返る。もじもじと言いにくそうにしている土方がチラチラとこちらを見ながら口を開いた。
「実は明日、レア物の限定美少女フィギュアの即売会があるんだけど……一人一個までしか売ってくれないんだ。しかし、拙者としては保存用と観賞用、そして実用用に三個揃えておきたいところでね?そこで諸君らに指令を下す。拙者と一緒に──」
恥ずかしそうにしながら買い物を頼んでくる土方を三人がかりで踏みつける。
状況を分かってないとはいえあまりにもマイペース過ぎる。妖刀のせいとはいえ考え無し過ぎるのではないかこいつは。
何度も土方を踏みつけていると、銀時たちの元にパトカーがやってきた。まさか捕まるのでは、と身構えたがそうではないらしい。
「大変なんです副長!すぐに隊に戻ってください!」
「何かあったんですか?」
「山崎さんが……山崎さんが何者かに殺害されましたッ」
山崎。確か海がよく話している人物だったはず。そんな人間が殺された?
「それに副長補佐……いえ、桜樹さんが行方不明なんです!朝から探してもどこにもいなくて!」
「海氏が……?」
「銀さん……海さんが行方不明って……」
新八の顔がみるみる青ざめていく。海が行方不明になるなんて相当なことだ。
「あのバカは一体どこに行ったのよ」
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