第75幕
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「土方さん、こんな時にうかうかしてたら伊東さんに副長の座、奪われますぜ」
「ふっ、それどころじゃねぇよ。俺はこんなんなっちまってから既に十を超える局中法度を犯してる。明日にでも伊東から切腹の申し渡しが来てもおかしかねぇよ。今のヘタレた俺じゃのみかねねぇ。お前も俺なんかといると伊東に目をつけられるぞ」
そう言って席を立ち背を向けて歩き出す。
自分だけに罰が下るのならいい。だが何も関係ない総悟や海にまで伊東の手が伸びるのだけは避けたい。
直属の部下である海は一番にその被害を被るだろう。土方の行動を注意しなかったのかと伊東に言われるはずだ。言い返さずにいてくれればいいが、彼はそんなに大人しい性格の人間では無い。
理不尽だと思えば海は誰が相手であろうとやり返すに違いないだろう。自分がフォローに回れないこの状況でそんな事をされたら海の立場が危なくなる。
近藤に海のことを頼んでもいいが止められる気はしない。
「目を離したら何をするか分かりゃしねぇな」
出来れば目の届くところにいて欲しい。でも、それは危険な行為に当たる。
「待ってくだせぇ、土方さん」
レストランを出ようとしたところで総悟に声をかけられる。なんだと振り返った先にはイタズラを思いついた子供のような笑みを浮かべる総悟。
「焼きそばパン買ってこいよ。あとジャンプもな。もちろんお前の金で」
いつもならふざけるなと言っていただろう。いや、今言いたいくらいだ。
それなのに自分の身体は全く言うことを聞いてくれない。何が恐ろしくてこんなにも身体が震えるんだ。
行ってこいと言われ、身体は素直に買いに行こうと動き出す。
にやにやと気味の悪い笑みを貼り付けている総悟を睨んでから、土方はレストランを出ていった。
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