第42幕
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『最近変なんだ。突然心臓が痛くなったり、動悸が酷かったり』
左胸をぎゅっと掴みながら告げると近藤は目を見開いて驚き、もっていたお猪口をお盆の上に戻してずいっと海の顔を覗き込むように顔を近づけた。
「え、病気か!?明日一緒に病院に行くか!?」
『普段は何ともないんだよ。こうして話してる時は痛くない』
「じゃあ、どんな時に痛むんだ?」
胸が痛くなる時。海はその時の状況を思い出しながら呟いた。
『銀時と……居る時』
「…………うん!?」
『今までこんなこと無かったんだよ。最近になって胸が痛くなって。アイツの顔まともに見れねぇし、近づかれると心臓が強く痛むんだよ』
俯いて胸を押さえる海に近藤は口元を引き攣らせる。これどうすればいいんだ?と近藤に問いかけたら、近藤は頭を抱えて唸った。
「(それ絶対……)」
『近藤さん……?』
「あー……なんだ。万事屋と居るとそうなるんだよな?他の奴らだとならないんだよな?」
『ならない』
「んー……海は万事屋のことどう思ってるんだ?」
『どうって?』
「その、なんつうか、良い奴だなぁ……とか?」
銀時とは昔からの付き合い。いつも一緒にいたし、銀時がすることなすこと真似していた。銀時も真似されることについて何も言わなかったし、むしろ教えるから覚えろと言われるほど。
友人、親友、戦友?どの言葉が一番しっくりくるのか。
『あいつは……幼なじみで……いつも隣にいるのが普通で。銀時が側にいると安心……する』
「聞いてるこっちが恥ずかしくなっちまうなこれ」
顔を赤くする近藤に海は不思議そうに首を傾げた。こほん、と一つ咳払いした近藤が真面目な顔で海を見た。
「海、それは万事屋の事が好きってことだ」
『銀時が好き?』
「おう。アイツと話してると心臓が、胸が痛いんだろ?それは万事屋の事を好きになったからドキドキしてんだよ。動悸が酷いってのもそういう意味。海は万事屋に恋してるんじゃねぇか?」
『銀時に……』
銀時のことが好き。そう言われても上手く理解できなくて海は眉を顰める。好きの意味はわかるけど、自分が銀時をそういう風に思っているとは思えない。
ましてや相手は男なのだ。同性に対して好意をもつなんて。
唸りながら考え込む海を近藤は苦い顔をしながら見つめていた。
「(これは時間かかりそうだな)」
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