第37幕
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「そいつは元々頭ん中マヨネーズまみれだから。糖分には染まらねぇから」
『お前の頭ん中も洗い流した方がいいと思うけどな』
「なに?海くん、一緒にお風呂入る?髪洗ってくれんの?」
『髪が無くなってもいいってんなら洗ってやるよ』
「やめてェェェ!俺この天パはあれだけど、髪がないのは流石に嫌だからやめてェェェェ!!!」
『今からでもムシってやろうか?うん?』
「ごめんなさいいいいい!!」
「銀ちゃんなんか髪があってもなくても腐れ天パアル」
「それ天パじゃないから!ただのハゲだから!」
『はぁ……まぁいいや。今日のところはもう帰るよ』
呆れた顔で海は土方の腕を引っ張って玄関へと向かう。神楽が寂しそうに海の着物を掴むが、海はまた来るよと微笑んで神楽の頭を撫でた。
「海、無理すんなよ」
『わかってる。銀も…………銀時も無理すんなよ』
「ふっ……あぁ」
"銀"と呼ぶのは海の子供の頃の癖。恥ずかしそうにやってしまったという顔で口元を手で隠す海。銀時は優越感を感じて緩い笑みをこぼした。こんな所で海が自分との関係の深さを披露してくれるとは思わなかった。
眉間に深いシワを刻む土方。彼も海に心を奪われた存在なのだろう。悔しそうに顔を歪めて銀時を睨んでいた。
「邪魔したな」
『お邪魔しました』
「またね、海!」
「気をつけて帰れよ。ちゃんと真っ直ぐ帰れな、多串くん」
「誰が多串くんだ!!」
クワッと目を見開いてキレる土方。銀時は小指を耳に突っ込んで「あー、うるせー」と遠くを見つめながら呟いた。
万事屋の階段を下りて通りへと出る。屯所へと歩きだそうとした海へとぶつかる男の子。どんっと弾かれて倒れそうになった彼へと手を伸ばして掴み引っ張りあげた。
『悪い!……大丈夫か?』
「い、いえ!大丈夫です!僕の方こそごめんなさい!」
必死に頭を下げる男の子に海は頭をあげるように声をかける。自分の不注意でもあるのだから気にしないで欲しいと言うと男の子は漸く顔を上げた。
「すみません……あそこの看板見てたら前を見るの忘れてしまって」
『看板?』
「はい……あそこです」
男の子が指差すのは海の後方。丁度海たちが出てきた万事屋だった。
『万事屋に?』
「はい……」
『そっか。中に店主がいるから会ってみるといいよ』
「ほんとですか!?良かった……じゃあ、僕行きますね!」
海に頭を下げてから万事屋へと走る。海はそんな彼のことをじっと見つめていた。
『……まさかな』
男の子が誰かに似ている気がする。記憶の中で一致する顔を探し出してみるが、どれも合致しない。
他人の空似か、と思い出すのをやめた。
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