第37幕
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『なんでお前となんだよ』
「俺に文句言うな」
『総悟はどうした』
「知らねぇよ。どうせどっかで遊んでやがんだろ」
『あのクソガキ』
海が舌打ちを漏らすと、土方は深いため息を吐いた。
近藤に外出の許可を取ろうとしたのだが、一人で外に出るのはダメだと言われてしまった。もう大丈夫だと言ったが、頑として近藤は首を縦に振らない。どうすればいいんだと問えば、総悟か土方を共に連れて行けと言われて、海は嫌そうな顔をした。
総悟ならまだしも、土方を連れていくなんて絶対に嫌だ。先程キレられたばかりなのに。
何がなんでも総悟を見つけなくてはと屯所の中を探し回ったのだがどこにも総悟の姿は無く、もうこのままこっそりと出ていこうかと思った矢先で土方に見つかった。
どうやら近藤についていくようにと言われたらしく、土方は海を探し回っていたらしい。
こうなるなら早く出ていけばよかった。近藤らが心配するかもしれないと思って悩んだのがアホらしく感じてしまう。
「どこ行く気だ」
『お前に関係ないだろ。用が済んだら帰るから土方はパトロールに行ってろよ』
「それじゃ俺が近藤さんに言われるだろうが」
『帰る時に連絡する。そうすれば気づかれないだろ』
「お前、人に言えねぇような場所に行く気か」
どこに行くんだとしつこく聞いてくる土方に段々とイライラしてくる。それに伴って口調も荒くなるわけで、互いに喧嘩腰の状態になっていった。
『一々報告しなきゃ行けないことかよ。お前だって休みの日くらい一人で出かけたいだろうが』
「それは普通の休みの話だ。療養してるやつが一人でフラフラしてんじゃねぇって言ってんだよこっちは」
『別に街ん中を歩き回るわけじゃない』
「じゃあ、どこに行くんだ」
結局振り出しに戻る。行き先を言わなければどこにも行かせないとでもいうように土方はピッタリと海にくっついてきた。そんな事をしていればあっという間に目的地についてしまうわけで。
『ここに居るからお前は先に帰れよ』
「……なんでここなんだよ」
『悪いかよ。お前らだけに迷惑かけたわけじゃないんだよ。ここのヤツらにも心配かけてんだから顔出すのは当たり前だろ』
たどり着いたのは万事屋。案の定、土方は看板を見て嫌そうな表情を浮かべる。銀時と土方の仲の悪さは知っているからなるべく近づけないようにとしていたのに、本人がくっついて来てしまったのだから仕方ない。
『じゃ、俺は行くから』
土方をその場に残して階段を上がろうとした時、ガシッと腕を掴まれた。
「お前一人で帰せるわけないだろ」
その言葉に今度は海が嫌そうな顔を浮かべて。
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