第32幕
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「よく似合ってるじゃねェか」
部屋の戸を閉めた晋助は海を畳へと押し倒した。驚いている海の頬へと指を滑らせながら晋助は口元を緩ませる。
『さっき、また子と武市にもそう言われた。似合ってるというか、この服のセンスがいいだけじゃないか?』
「それを着こなすお前も良い身体してるってわけだ」
『その褒め方なんかおかしいだろ』
くすくす笑う海はなんの疑問も抱かずに押し倒されたまま。普通なら何をするんだと怒りそうなものなのに、海は何も言わずにただ受け入れていた。
「(薬の方は大丈夫そうだな)」
薄れている海の記憶のなかに紛れ込ませた話。攘夷戦争が終わった後、自分と海は恋人同士になったのだと。
いくら記憶があやふやだとはいえ、その気もないのに恋人だったと言われても信じることは無いだろうと思っていた。これは少しやり過ぎたかと反省していた晋助を他所に、海は目をぱちくりさせて『まじか』の一言。
予想してなかった反応に今度は晋助が固まる番だった。言われたからってなんでも信じすぎだろうと呆れつつ、言ったのは自分なのだから責任を取らなくてはならないと、こうして海と恋人"ごっこ"をしている。
『晋助、』
海の手が晋助の着物を弱々しく握り、頬は熟したリンゴのように真っ赤に染まる。
「海」
名を呼んで距離を縮めていくと、それに合わせて海もゆっくりと目を閉じた。
重なる互いの唇。何度かキスはしたのだが、まだ海は慣れていないのか緊張で身体が固まっていた。
その身体をほぐそうと晋助は上着の中へと手を忍ばせる。
『んっ……』
ぴくりと跳ねる身体を優しく撫でるようにしてやれば、少しずつだが緊張で固まっていた身体が解けていく。
身体の力が抜けた所で口内へと舌を滑り込ませる。着物を掴んでいた海の手を自分の手へと絡ませてしっかりと握り返すと、縋るように晋助の手を握り返してきた。舌を絡ませる深いキスで夢中になっている間に海のシャツのボタンへと手をかける。
『んん、ふっ……』
「っ……海」
『し、んすけ』
上気した顔で見つめられればもう我慢なんて出来るはずもない。据え膳食わぬは男の恥、なんてよく言ったものである。
「するか?」
それでも晋助は最後の決定権を海に委ねた。海自身が己を欲するように。自分が襲ったのではなく、海が進んで脚を開いたという事実を残すために。
『ごめ、俺……』
「ゆっくりすりゃァいい。まだたっぷり時間はあんだからよ」
海は晋助の言葉にやんわりと拒否を示す。まだ海の全てを掌握した訳では無いらしい。
申し訳なさそうに目を伏せる海にもう一度キスをして耳元へと唇を寄せる。
「海、シねェのはいいが。コレはどうすんだ?」
『あっ……いや、そ、それは……!』
晋助が触れたのは海の下半身。指摘された自分のものに海は必死になって首を横に振った。
『い、いいから!落ち着けば大丈夫だから!』
硬くなったソコを晋助がイタズラに指先でなぞり、もどかしい触り方に海の口から甘い吐息が漏れる。
「海、ちょっと付き合え」
断った癖にこんな態度を取られてしまっては耐えられるはずもない。少しつまみ食いをするくらいいいだろう。
⋆ ・⋆ ・⋆ ・⋆
結局、最後まではしなかった。
無理矢理にでも海を食ってしまってもよかったが、それでは意味が無い。
海のモノと自分のを重ねてシゴき合わせてその場は凌いだ。
あんなイキ顔を見せられてしまえば、自分を抑えるなんて無理な話。再度勃ち上がったものを海の足に挟ませて素股をさせたなんて恥ずかしい話である。
まだ耳に残る海の上擦った声。今度は海を汚しながら聞いてみたいと思った。
「海、」
何度もイかされた海は疲れて眠っている。顔にかかっている前髪を払いながら額へとキスを落とした。
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