第41幕
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『銀時、』
「ん?」
屯所までの帰り道を銀時と海はゆっくりと歩いていた。
『お前さ……暫くの間、俺に関わるのやめとけ』
「……え?」
『屯所にも来るな』
「いやいや、なんでそうなるワケ?」
一瞬、海が何を言ってるのか分からなくて思考が止まったが、海の次の言葉で慌てて聞き返した。
『なんでも。神楽と新八にもそう言っとけ』
「そんなこと言って聞くような奴らじゃないのは海知ってるでしょうが。ちゃんと理由を話せよ」
海の腕を掴んで足を止めれば、海もその場に立ち止まった。こちらを見ようとしない海に少しだけイラッとしたが顔には出さなかった。
「理由は?」
『……顔を見たくない』
誰の?と問うのが怖い。スッと顔を上げた海は銀時を鋭い目付きで睨んでいた。
『銀時の顔を見たくない』
「な、んだよ……それ」
『そのまんまの意味。だから暫くは顔見せに来んな。落ち着いたら俺からそっちに行くから』
腕を掴んでいた手は振り払われ、海は一人で歩き出す。その背を追おうとした銀時へと向けられたものは、先程、時野に向けられたものと同じもの。
『ついてくるな』
どうして、なんで。聞きたいことは沢山あったのに、それを全部聞けずに海は銀時の前から去っていった。
「なんでだよ……」
ズキズキと痛む胸を押さえて唸るように呟く。突然の拒絶に頭も心も追いつくはずがなく、力なくその場に蹲った。
自分は海に何をしただろうか。もしかして知らぬ間に傷つけてしまったか。
思い当たることは沢山ある。朔夜と会わせてしまったこと、あの時野という男を牽制することが出来なかったこと。
海に辛い思いをさせてしまった事。
どれも海に一線置かれても仕方ないことだった。
「情ねぇわ……ほんとに」
大切な人一人守れないなんて。だからこそ高杉に海をもっていかれたのだろう。守りたいと思うほど、から回っていく己の行動と言葉に頭を悩ませた。
「海……なぁ、それ……本心なの?」
それほど銀時の事を嫌いになってしまったのか。
そう聞きたかったけど、もう彼はここには居ない。きっと次、会うことがあれば嫌がられるかもしれない。
そう思ったら会うのが怖くなった。
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