第52幕(裏)
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「なにやってんの!?」
『い、いや!何となくテレビつけたらこ、これが!!』
机の上に置いてあったリモコンを操作してテレビの電源を付けると、画面には絡み合う男女の姿が映し出される。大音量で流れたのは女性の艶かしい喘ぎ声。突然のことに驚いてその場から逃げ出し、風呂場を見ていた銀時の所へと飛び込んで今に至る。
「あー……あれなのよ。ラブホテルのテレビってこういうのしか流れねぇから。もうずっとこんなだから」
『わ、わかったから!あれなんとかしてくれ!』
ぼけっとテレビを見ている銀時に必死に訴えるが、銀時はテレビを消そうとはしなかった。仕方なく放り投げたリモコンを探して自分で消そうとしたが、横からリモコンを奪われて消せなくなった。
『銀時!』
「いいじゃねぇか。勉強になんだろ?これからやるんだからよ」
ポイッとリモコンは投げられてベッドの上へと転がる。
『べ、勉強って……』
「男同士だからやり方違うけど、大体は一緒だからよ。ほら見てみろって」
ベッドに腰掛けてテレビをまじまじと見ている銀時の横へと躊躇いがちに座る。画面の方は見ていないが、部屋に響く女性の声にビクッと肩が震えた。
「海」
『な、なに』
「怖い?」
『なにが……?』
「シようかなと思ってたけど、海が嫌ならやめる」
銀時がしたいと思っていることはテレビに流れている行為のこと。でも、海が嫌なら無理にはやらないと銀時は緩い笑みを浮かべながら言った。
正直、この行為をする意味が分からないでいる。付き合っているからするというのは普通なんだろうけど。
『嫌ではないけど……』
「けど?」
『よく……わからない』
行為になんの意味があるのかわからない。そう伝えると、銀時はうーんと唸った。
「遮断しすぎたか。つってもどう説明すりゃいいんだこれ」
『銀?』
「えっとですね。恋人同士でこういうことをするのは分かってる?」
『一応は』
「よし。なんでするのかっていうと、愛を確かめ合うっていう理由だな」
『確かめ合う?それなら言葉で言えばいいんじゃないのか?』
「それもそうなんだけど、こうして互いの熱を感じ合うというか……もっと密接な関係になるといいますか」
『密接な関係……』
「男女なら子供を作るって意味でやるんだけど、男同士だとな。生産性がないから意味がってなるんだけど……って、説明しててなんか悲しくなってくんなこれ」
生産性。確かに男女なら行為をする意味はあるだろう。昔、晋助が言っていたのを思い出す。男女の営みはコウノトリを呼ぶための儀式みたいなものだと。松陽も同じことを言っていたから本当なのだろうけど、ならば男同士の場合はどうなるんだ。
『試しに……やってみるか』
「え?」
『来るか来ないかは知らねぇけど。試してみる価値はあるだろ』
「うん?なんの話?」
コウノトリが来る確率は百では無いと言っていた。ならばここで銀時としたところで子供が生まれることは無いかもしれない。
それに愛を確かめるというのも引っかかる。言葉だけでは伝わらないのであれば、身体で表現するしかない。
『銀、やるぞ』
「まって、やるのはいいんだけど。全然おっけーなんだけどさ。なんでそんな臨戦態勢なの!?え、今から何やるのか分かってるよね!?」
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