第51幕
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それから何事もなく、万事屋に泊まってから四日が経った。
「銀ちゃん……ほんとに海帰っちゃうアルか?」
「あいつは真選組の人間だからな。あっちに帰んのが筋だろ」
「でも……」
「でももだってもありません。いい加減諦めろ」
「でも、銀さんが一番寂しがってるじゃないですか」
「そんなことありませんー」
実のところ新八が言っていることは本当だったりする。もう明日から朝起きても海の姿が見れないのだと思うと寂しく思う。一緒に買い物も行けないだろうし、台所に立つこともない。一緒に寝ることも。
きっと泊まりにおいで、と声をかければ休みの日に合わせて来てくれるのだろうが、仕事熱心で毎日忙しそうにしている海がそんな頻繁に休みがある訳でもない。
泊まるといっても一ヶ月に一回とかの頻度になるだろう。たまに外で会って話せればいい方か。そう思ったら一気に胸の辺りがずんっと重くなった。
やっと想いが通じたというのに。付き合い始めでもう距離があくなんて。
「会いたくなったら会いに行けばいい話だろ。一生会えなくなるわけじゃねぇんだからよ」
「そうだけど……」
『なんでそんなお通夜モードなんだよ』
「海さん!あ……」
新八が海を呼んですぐに落ち込む。海の手には風呂敷。もう荷物をまとめたのか、銀時の寝室には海の物は残っていなかった。
そんな姿を見て、早く帰りたがっているのは海のほうなんじゃないかと思ってしまう。
『銀時、ちょっといいか』
「……なに」
『少し……散歩しないか』
「散歩?」
『あぁ』
心無しか元気がない。俯きがちに言った海に少し待つように声をかけ、羽織を取りに部屋へと入った。普段から寝室に何も置いていないのだが、ここ数日は海の服が置いてあった。それが全て無くなっているのが物悲しい。
服ぐらい置いていけばいいのに。次泊まりに来る時にあった方がいいじゃないか。着替えがなくて困るのは海なのだから。
「別にいいけどよ」
羽織を手にして部屋を出る。綺麗になってしまった部屋から目を背けるように。
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