第51幕
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「ただいまーー!」
『ただいま』
総悟とはスーパーの前で別れて、神楽と共に万事屋へと帰ってきた。靴を脱ぐなり神楽は今へと走り出し、冷蔵庫に買ったものを詰め込んでいく。
新八と言い合っているのが聞こえるということは、あの激辛煎餅を渡したのだろう。明らかに嫌そうな声が居間に響いていて、申し訳なさでいっぱいになる。
「お帰り、海」
『ただいま』
「何ともなかったか?」
『スーパー行くだけで何があるんだよ。神楽もいたし、それに総悟もいたから』
「なに?ドS王子に会ったの?」
『なんだその呼び方』
海の手から荷物を受け取った銀時が驚いた顔で呟く。土方に対して多串と呼び、総悟のことはドS王子と呼んでいるのか。総悟の方は分からなくもないが、土方の方は全く意味がわからない。変なあだ名を付けるのが癖になっているのかコイツは。
「帰ってこいって?」
『明後日には帰るって言っといた』
「よくそれで納得したじゃねぇか」
『あー……確かに』
別れ際に再度、明後日帰るからよろしくとは伝えた。総悟は分かったと答えるだけでそれ以上は何も言わなかった。散々迷惑を掛けたのだからすぐに戻れと言われるのかと思ったが、そんなことはなく、ただ帰ってくるのを待っているとだけ。
『まさか俺呆れられてる?』
「それはねぇだろ。あいつらのことだからなんか考えでもあるんじゃねぇの?」
『だといいんだけどな。辞めたくせに帰ってきやがったとか言われたら俺もう泣くわ』
「そしたら俺んとこ来いよ」
『いや、お前は仕事しなさすぎて金銭面での悩みが増えるからな。それなら別口で仕事してた方がいい』
「俺だってちゃんと仕事してますー!海が仕事しすぎなだけですー」
『働けるうちに働いておくのが普通だと思うが?歳とって動けなくなった時に慌てるよりも』
「ぐっ……そのときはそのときに考える!」
『バカか。それがダメだって言って──』
るんだろうが。という言葉は銀時の口の中へと消えていった。目の前には銀時の赤い瞳。啄むような唇の動きに恥ずかしさで硬直する。腰に銀時の腕が回って引き寄せられ、持っていた袋が床に落ちてがさりと音を立てた。
『ん……ふ……』
「……力抜けちゃった?」
長いキスを終えた頃には足に力が入らなくて膝から崩れ落ちそうになり銀時の腕に支えられる。
『馬鹿野郎』
「文句ばかり言ってっから塞いじゃった」
えへっ。と言いそうな顔で笑う銀時にムッとし、右手をグッと握りしめた。瞬間、銀時は玄関先で倒れ伏す。落とした荷物を広いあげて台所へと向かった。
『ばか』
「今日も今日とて可愛いツンデレで……!」
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