第51幕
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「海ー!何買うアルか?」
『米は確実だな……後は野菜とか魚とか色々買わねぇと。俺もあと二日くらいしか居られねぇけど、その間は飯作ってやるから』
「海、真選組に戻るアルか?」
『まぁな。俺の居場所だからな』
「銀ちゃん寂しくなるネ。私も海居ないと寂しいヨ」
『そんな一生会えないわけじゃねぇんだから。心配すんなって』
俯く神楽の頭を撫でてやれば、寂しそうな顔でこちらを見あげてくる。一生会えなくなるわけではないのだからそんなに落ち込まなくてもいいのでは?と声をかけたのだが、神楽は変わらずしょげたままだった。
『ほら、スーパーついたから買い物するぞ』
「うん……」
買い物かごを持って店内へと入る。
ひやりとした空気に身体が震えた。買い物中のおば様方の間をすり抜けて野菜売り場へと行き、必要な分をカゴの中へと入れる。
適当に野菜を選んだあと、魚と肉のコーナーへと向かう。神楽に声をかけようとしたが、神楽の姿が見当たらない。暫く待ってみたが戻ってくる気配もないため、一人で別の場所へと移動した。
『菓子売り場か?子供らしいな』
子供と一緒にスーパーとなるとお菓子というイメージが強い。きっと神楽もお菓子を見に行ったのだろう。
肉と魚を選び終え、神楽を迎えにお菓子コーナーの方へと足を向ける。他の子供が親にお菓子を強請るのを横目で見つつ神楽を探したが見つからない。そのまま飲み物の所にも行ってみたが、神楽はどこにもいなかった。
『どこ行ったんだ……』
そろそろカゴと米を持つ手が疲れてきた。それに帰りが遅くなるとあの過保護が心配してしまう。早く見つけて帰らなくては。
カゴと米を持ち直し、また店内を歩き回ろうとした所で後ろから声をかけられた。
「海!!」
「海さん!」
『探したんだぞ?どこ行ってたんだよ……って、総悟?』
「海探したアル!どこにもいないから帰っちゃったのかと思ったヨ」
「だから言ったんでい。海さんは狭いところでも迷子になりやすって」
『いや、俺が迷子と言うよりも神楽が勝手にうろうろするのが悪いだろ……』
「こんな狭いスーパーすぐ見つかると思ったアル」
「海さんが動かなければですけどねぇ」
『悪かったな動いてて』
こちらは買い物に来ているのだ。スーパーの中を動き回らずにどうやって品物をカゴに入れろと言うのか。グチグチと文句を言ってくる二人に少しばかりイラッとしていると、総悟がじっと海を見ていることに気づいた。
『次はなんだ。文句なら聞かねぇからな』
まだ何か言うつもりかと思っていたが、どうやらそういうつもりではないらしい。海を見ている目は不安げに揺れていて、おずおずと言ったふうに総悟は口を開いた。
「海さん……屯所にはいつ戻ってくるんですか?」
『明後日には戻るつもりだ。近藤さんにも謝らないといけないし』
「みんな待ってますよ。海さんの帰りを」
『悪いな、心配かけて』
「謝ることなんてありやせん。海さんが無事に帰ってきてくれればそれでいいんでさぁ」
『ありがとな』
そのあと、総悟から自分がいなかった間のことを色々と聞かされた。
西ノ宮は近藤と土方の告発により、人身売買の罪に問われて捕まったらしい。その共犯として時野と妻も。
だから安心して帰ってきて欲しいと言われた。
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