第50幕
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『銀時!起きたなら早く飯食え。洗い物が片付かないだろ』
「はいはい。まったく、朝から可愛い格好しちゃって」
『これしかなかったんだから仕方ないだろ。つか、お前もこれ使ってんだろうが』
「たまにな。俺より似合ってんじゃん。若妻みてぇ」
エプロンが似合う男というのも不思議なものだが、何故か海はかっちりとハマっている。むしろ着こなしているように見えた。
『冗談言ってないで早く食え。この後買い物にも行くんだろ?』
「あー、そうだった。朝飯なに?」
『昨日は魚だったから今日は肉。神楽と新八もいるからな』
「おっ!朝からイイもん作るじゃねぇか」
『起き抜けで食えるか?』
「海の飯なら食える」
『意味わかんねぇよ』
台所に立っている海と銀時。それを少し離れたところで新八は眺めていた。二人のやり取りを見るのはいつもの事だが、今日はどこか雰囲気が違う。
なんだか以前よりも距離が縮まったような。そんな気がした。
「海と銀ちゃん……やっとくっついたネ」
「え?どういうこと?神楽ちゃん」
神楽に問いかけると物凄く呆れた顔でため息をつかれた。
「童貞の新八にはわからないネ。あの二人多分、ヤッちゃったアルよ」
「ヤ、ヤ、ヤッちゃったって何を!?」
「ヤるって言ったら一つネ」
神楽はグッと人差し指と中指の間に親指を突っ込む。その意味はよく分からないが、何となく神楽の言いたいことが伝わった。
「えええええええええええええ!?」
『うおっ、どうした?新八』
「おい、新八ィ。朝から騒ぐなって言ってんだろうが。なに?お前は叫びたがりなの?叫ばないと死んじゃうの?」
『どうしたんだよ本当に』
洗い物をしていた海がエプロンで手を拭きながらやってくる。その姿は銀時が言うように若い奥さんのように見えた。昨晩、新八と神楽が居ない間に二人は大人の関係になった。この家で、銀時の寝室で、
『し、新八ィィ!?』
「銀ちゃん、ぱっつぁんが鼻血噴いて倒れたネ」
「お、おい!大丈夫かよ!あれか!?寺門お通を思い出したのか!?お通とチョメチョメを想像したのか!?」
『バカ言ってねぇで新八をソファに運べ!』
想像したら頭がクラクラする。海達が慌てているように見えたが、新八はどうすることも出来ない。
ひょいっと持ち上げられて体が揺れる。目線を上へと向けると海が自分を抱き上げていた。
『大丈夫か?』
「だ、大丈夫です」
『まだ鼻血出てるから大人しく座っとけよ?』
「は、はい」
ソファへと寝かされ、額には濡れタオルが置かれる。良くなるまでここで休むように言われ、素直に頷くと海は新八の頭を撫でた。至近距離で見てしまった微笑みにダラダラと鼻血が垂れていく。
「銀ちゃん、海とヤッたアルか」
「ヤッてねぇよ。というかお子様がそんなこと口走るんじゃねぇよ」
「ヤッてないの!?なんでネ!」
「なんでってそりゃ……疲れて寝てるやつに手なんか出せっかよ」
「チッ……ヘタレが」
「あぁ!?神楽!お前ご飯抜きにすんぞ!」
「海ー!銀ちゃんがいじめるヨー」
『はぁ?お前いい加減にしろよ……』
「いじめてねぇよ!!」
あぁ、今日も万事屋は平和だ。
鼻血を垂れ流しながら新八はにこやかに笑った。
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