第49幕
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「無事じゃったか!!」
銀時に連れられて辰馬の船へと乗り込む。
辰馬はバカデカい声で叫んで海と銀時を力強く抱きしめた。
「怪我しとらんか!?まっこと心配したぜよ!!」
「ぐ、ぐるしい!おい、辰馬!現在進行形でお前に殺されそうだわ!」
『辰馬!ちょ、苦しいっつの!』
ぎゅうぎゅうぎゅう。と腕に力が入っていく。離せと言っているのにも関わらず、辰馬は嬉しそうに叫び散らす。疲労が溜まっている状態で辰馬の相手をするのは骨が折れる。我慢出来なくなった海と銀時は目配せしたあと辰馬の腹を殴りつけた。
「ぐふうっ!!」
「苦しいって言ってんのが聞こえないのかてめぇは!」
『しかもうるせぇんだよ!耳元でデカい声出すんじゃねぇよ!』
倒れた辰馬に追い打ちをかけるように二人で蹴る。そんなやり取りを見て桂は深いため息をついて頭を抱えた。
「もうやめないか。そいつとて海の安否を心配していたのだからな」
『……それは……』
そう言われてしまえばどうしようもない。蹴られていたはずの辰馬は相変わらず笑みを浮かべながら海を見上げた。
「海が無事ならそれでええぜよ」
『ぐっ……』
そんな顔で言われてしまったらもう罪悪感でいっぱいになる。一言ごめんと謝ると、辰馬は何も気にする事はないと海の頭を撫でた。
変わらず大切にされている。真選組に入って幕府との関わりが深くなったにも関わらず、辰馬たちは海のことを仲間だと言って助けてくれた。
彼らの優しさにじんわりと胸が暖かくなっていく。
「海?どうした?」
『なんでもない……お前らがバカだから』
ぽとっと落ちる雫。顔を隠すように俯けば、肩やら背中やらに手が乗せられた。海は声を出さずに涙を流し続けた。
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