第2幕
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「銀ちゃん、これいじくってたらスイッチ押しちゃったヨ」
「悪夢だ」
「ベタだな」
『……とりあえずこれをどうにかしようか』
「「だな」」
スイッチの入った時限爆弾を手にする女子から爆弾ひったくって、なんとか止める方法を模索する。外からは総悟達が立てこもっている桂たちに投降するようにと催促しているのが聞こえた。
「おいおい、どうすんだよこれ。つか、作ったのが桂なら解除方法くらいわかんねぇのかよ!」
「すまんな、1度起動したら止まらん」
「なにそれェ!間違ってスイッチ入っても止められねぇとかなにそのポンコツ!」
「仕方ないだろう!スイッチを止められたら起爆しないだろう!」
『喧嘩してる暇があるならこれ止める方法考えろよ!なんか配線切って止めるとかねぇのか!』
「海のところに爆弾解除出来るやつは!?」
『そんな細かい芸当ができる奴がいそうに見えるか!?それにいたとしてもそれは幕府の中枢の方にいる。俺らみてぇな下っ端なんかには爆発物処理班なんてもんはねぇんだよ!』
「そうですよねェ!あんな脳筋集団みたいな奴らに出来るわけないですよねぇ!」
仕方なしと爆弾を抱えたまま銀時は走り出す。外にはバズーカを抱えた隊員と土方、総悟が口を開けたまま突っ立っていた。
銀時が爆弾を持っているのに気づいた隊員が慌てて銀時から距離を空ける。廊下を走りながらメガネとチャイナと銀時で爆弾をグルグル回していく。結局、爆弾は銀時の手へと収まったのを見た海は背筋が凍った。
「銀ちゃん!歯ァ食いしばるネ」
これでは埒があかないと思ったのか、チャイナ服が傘を両手で持って銀時を窓の方へと弾き飛ばす。その光景を見て絶句する海。大の大人を傘一本で外に吹き飛ばすとはどういう鍛え方したら出来るというのだ。
チャイナ服によって吹き飛ばされていった銀時は機転を働かせて爆弾を空へと放り投げて建物の中での爆発を回避した。
『相変わらず無茶するな……』
久しぶりに会った幼なじみは昔と変わらず、破天荒なままだ。
もう一人の友人も今はテロリストとして動いてはいるが、こちらも変わらず元気にしているようだった。自分は彼を捕まえる側の人間ではあるのだが、彼が何事もなく今も無事でいることを知って安心してしまっている。
「おい、海。てめぇ、なんで奴らと一緒にいやがった」
爆発物の処理を隊に指示していた土方が眉間に深いシワを刻みながら海の元へと歩み寄る。いつもより低く唸るような声に、海は彼らとの関係性を悟られることのないようにとはぐらかした。
『だから言っただろう。あのどさくさに紛れて拉致られた。人質にでも出来ると思ったんじゃないか?』
「それにしてはやけに仲良さそうにしていたが?」
『知らないか?ストックホルム。お前も警察なら覚えといた方がいいぞ。要らぬ勘違いを起こさぬ為にも』
「あ?てめぇがそんなもんになるタマか?」
『俺だって拉致されればそうなるっての』
「嘘つけ。てめぇなら拉致したやつら全員ぶちのめすだろうが」
疑惑の目で海を見る土方。これ以上詮索されては面倒だ。そう思ってその場を離れ、他の隊士たちに混ざって現場処理へと移った。後ろから土方が怒鳴っている声が聞こえたが、片手を上げるだけ。
『はぁ……これから忙しくなりそうだな』
友との再会により、これから己にいくつもの災難が降りかかるとはこの時は思いもよらなかった。
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