第17幕
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「あれ、海。鉢巻つけてもらったのか?」
ふらりと海の前に来たのは先程から海を見ていた銀時。銀時が近づいてきた瞬間、海の髪を触って遊んでいた総悟は銀時から(睨まれたから)逃げるようにどこかへと走っていった。
『総悟がつけてくれって』
「ふーん。ちょっとおいで」
『あ?』
銀時にくいくいっと手招きされて呼ばれ、海は小首傾げながらも銀時の元へと歩み寄る。
銀時の前に立って『なんだ?』と声をかければ、海の頭へと伸びてくる手。それは海の頭に結ばれたハチマキを解いた。
「お前は頭にハチマキ巻くなっつったろうが」
『そんなのもう昔のことだろうが』
「昔でも今でもダメなモンはダメだ」
頭にあったハチマキは銀時によって海の左腕に結ばれた。二の腕に結ばれたハチマキは可愛らしくリボン結びにされて。
「よし!上出来じゃね?可愛い可愛い」
『野郎の腕にリボン結びなんかあっても気色悪いだけだろうが』
「そんなことねぇよ!海がつけてたらそれはただの可愛さしかねぇよ!」
『殴られたいのか?』
「暴力反対!」
「せっかく結んであげたのに!」と吠える銀時を半目で見つめる。その時ちらりと見えた銀時のハチマキの結び目に海はため息を零した。
『銀、ちょっと後ろ向け』
「え?なになに?」
『いいから』
銀時にちょっと後ろ向いて屈めと着物を引っ張る。こちらに背を向けて中腰態勢になった銀時。その頭についているハチマキを1度外し、綺麗に結び直した。
リボン結びとも固結びとも言えない結び方をしているハチマキ。これでは見た目が悪い。銀時が作ったリボンとまではいかないが、さっきの結び方よりかはだいぶマシになっただろう。
『お前、ハチマキくらいちゃんと結べよ。なんで人のは綺麗に結ぶくせして自分のはこんな適当なんだよ』
「だって自分じゃ見えねぇだろ?んなもん適当になっちまうだろ」
『それエプロンの時どうす……』
「……あ、」
そこで海は気づいて、銀時をじとりと見つめた。銀時も海が気づいたことを察してこちらを見ようともしない。
『銀、お前……』
「い、いや、ほらね?エプロンとはまた違うでしょ?!」
慌てて言い訳を並べる銀時。エプロンの紐は上手く結べるくせしてなぜハチマキは結べないというのか。その答えを知った海は深い深いため息を漏らしてめんどくさそうに言葉を吐いた。
『お前は構ってちゃんか』
「違いますー!別に海に結んでもらいたかったわけじゃッ」
『はいはい。構ってちゃんな』
結んで欲しいなら素直にそう言えばいいものを。こんな回りくどいやり方しなくても、ハチマキくらい結んでやったのに。聞いてもいない言い訳を永遠と並べる銀時に冷めた目を向けた。
「ちょっと海!?俺の話聞いてる!?」
『聞いてる聞いてる』
「聞いてねぇだろ!お前、嘘つく時同じ言葉二回言うの知ってる!?」
『そんな癖知らねぇよ』
「俺は知ってるの!!」
お菓子を買って貰えない子供のように喚く銀時に海はうんざりしつつ、適当に話を聴き逃していたら銀時に注意され、自分の知らない癖を暴かれて気分は一気に急降下していった。
銀時と話すのがめんどくさくなった海はその場から逃げるように走り出す。後ろからまだ話は終わってないだのなんだの叫んでいるのが聞こえたが、それを無視して土方と総悟の元へと駆け寄った。
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