第16幕
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「悪ィけどこいつをお前みたいな悪逆非道生産工場みてぇなところには行かせられねぇ」
「フフッ……勝手に言ってろ。俺は海を連れていく。甘ったれたこの国においておくのはもったいねぇ」
「お前も頑固なやつだな。連れていかせねぇって何度言えば諦めるんだ?どこぞのストーカーかてめぇは」
「銀時、お前は昔から気に食わねェ。いつもそうやって海をてめぇの背に隠しやがって」
「そりゃ悪かったな。俺の方が身長高いから海がすっぽり隠れちまうんだよ。悔しかったら身長伸ばせコノヤロー」
「うるせぇ」
冷たくあしらう晋助から漏れ出す殺気。晋助らしい鋭さをもつものが肌に突き刺さる。銀時の背後から顔を出して晋助を見ると、海が見たことの無い顔がそこにはあった。
何年も会わない間にあんな顔をするようになったのか。
晋助がなんだか別人になってしまったような。そんな変わりように寂しさをつのらせる。自分が居なくなったあの後、晋助に何があったのか。どうして鬼兵隊なんて発起させて、幕府をしつこく狙っているのか。
幼なじみなんて名ばかりで、もしかして己は晋助のことを理解していなかったのかもしれない。そう思い始めてしまえば、頭は自然と俯いた。銀時の着物を両手で掴んで縋るように身を寄せる。晋助から見えないように、銀時の背中に隠れるように。
『ごめんな』
「海?」
ぽつりと零した海の言葉を銀時が拾いあげる。ごめんと繰り返される言葉に二人は睨み合うのをやめて黙って聞いていた。
「興醒めだ」
そう言って晋助は海達に背を向けて歩いていく。
『晋助……!』
「次は連れていく。覚悟しておけ」
『俺は晋助の手を取れない。それはお前もわかってんだろ!?』
「わからねぇな。いや、わかりたくもねぇよ。お前は何も知らねェ。無知は罪って知ってるか?」
「高杉!!!」
「銀時、お前海に言ってねェのか。あァ、言えるはずもねぇか。まさかてめぇが──」
「黙れって言ってんだよ!!!!!」
晋助が何かを言おうとしたが、銀時の声によって掻き消されて海が聞くことは無かった。晋助は銀時を一瞬睨みつけたあと、不敵な笑みを貼り付けて去っていった。
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