第16幕
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「久しぶりじゃねェか。なんだ?そのふざけた格好は」
刀を鞘へと戻して近づいてくる晋助。あの頃より大人っぽくなった晋助がニヒルな笑みを浮かべながらそこにいた。
『晋助こそ……生きてたのか』
「あぁ、おかげさまでなァ」
最後に見た顔は谷底へと落ちゆく海に必死に手を伸ばして叫ぶ晋助の顔。泣きそうな顔をしていたやつが今ではこんなにも悪人面になってしまっている。その変わりように海は引き攣った笑みを向けた。
『元気そうでなによりだわ』
「おめぇもな。どんだけ探したと思ってんだ?」
『それは悪かったな。あの後、落ちた先で拾われたんだよ。そのおかげで今こうして立っていられる』
「そうか。俺よりも先にてめぇを拾いあげたやつがいるなんてな。虫唾が走る」
『なんで、ここにいるんだよ』
一歩、また一歩と近づいてくる晋助から離れるために海も後方へと足を動かす。
「祭りがあるなら来ないわけにはいかねぇだろ?祭り好きのお前ならわかんだろ?」
『そうだな……確かに祭りがあるなら行きたいと思う。でも、今のお前は純粋に祭りを楽しめるような立場じゃないだろ』
周りから聞こえる爆発音に眉間にシワを寄せる。きっと晋助が何かしら手を出したのだと予想して。
「俺ァ何もしてねぇよ。ちょっとばかりつついただけだ」
『つついただ?つついただけでこんなことになるわけがねぇだろうが!』
「そりゃ誤解だぜ?海ィ」
一気に間合いを詰められて胸ぐらを掴まれる。間近で晋助と目が合う。カチリと合わさった晋助の目は酷く澱んで見えた。
「海!高杉てめぇ、海から離れろ!!」
海が晋助に掴まれたことにより今まで黙っていた銀時が木刀を手に取り振りかぶる。それをいとも簡単に晋助は刀で受け止めて横に薙ぎ払うと、銀時は近くの屋台へと飛ばされて倒れた。
『銀時!』
「海、お前が生きてるなら話は別だ。お前を連れていく。そんな幕府の犬に成り下がった姿なんざ見たかねぇからな」
『悪いがそれには答えられない。俺の居場所はあそこなんだよ』
「違うな。お前はこちら側の人間だ。あの腐りきったやつらの手駒なんかじゃねぇ」
腰に回る晋助の腕を払い除ける。首を横に振って拒否を示せば、晋助は目を細めて海を睨んだ。
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