第15幕
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「トシ、総悟のヤツがうんこしに行くって言ったきり全然戻らんのだが。海もちょっと忘れ物したから屯所に戻るといって行ったままなのだが」
「それは……」
「……それとトシ、その荷物はなんだ?」
「……海に頼まれて持たされてるもんだ」
先程まで一緒にいた総悟と海。途中で二人とはぐれてしまい、あの人混みの中で探すのも手間なので近藤の元へと戻ってきていた土方。近藤に便所と忘れもん取りに行くって言ってあそこにいやがったのかと土方は青筋を浮かべた。
「やけに美味しそうな匂いがするな」
「中身全部食いモンだからな」
持っている袋の口を開くと、ふわりと香る美味しそうな匂い。中に入っている物は綺麗に一つ一つビニール袋に包まれている。
「海ってほんと良く食うな」
「見た目に似合わずな。食わねぇよりかはマシだが、あの食いっぷりは見てる人間の食欲を無くさせるからな」
普段食べている海のご飯の量がまともではないのは確かだ。朝餉でよく食堂を共にすることがあるのだが、海が隣で食べているのを見ると食欲がどんどん失せていく。
「まぁ元気になったのだからいいことだな。一時はどうなることかと心配したが」
「そうだな」
体調不良続きで倒れていた海の姿は今はもうない。怪我がすっかり治った海はすぐに仕事へと復帰した。周囲が心配するのを他所に、海はどんどん仕事をこなしていき、たった1週間の間に怪我をする前と同じ量の仕事を捌けるほどには回復した。
それでも時折疲れた表情を浮かべるところを見る限り、本人の意志とは反してまだ体の方は万全ではないのだろう。強がって大丈夫だと笑う海を何度休ませようとしたことか。
「トシ、海が無理をしないように見張っていてくれよ」
「あぁ、総悟にも言ってあるから大丈夫だろう」
「何かと無理をするからなぁ」
「そうだな」
仕事熱心なのはいいことだが、程々にして欲しいというのが副長と局長の最近の悩みだったりする。
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