第15幕
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「いいか、祭りの当日は真選組総出で将軍の護衛に就くことになる。将軍にかすり傷ひとつでもつこうものなら俺たち全員の首が飛ぶぜ。この辺、心してかかれ」
真選組屯所、会議室にて隊士一同集まっての会議が行われていた。会議の内容は数日後に行われる鎖国解禁二十周年の祭典のもの。その際に将軍が祭りに出席するということなので、海たち真選組が護衛の任を任された。
将軍が国民の前に姿を表すのは稀なこと。その為、この時だと待ちわびた攘夷浪士や他のテロリスト集団に襲われかねない。今回はいつも以上に気を引き締めていかなければならないのだ。
「きなくせぇ野郎を見つけたら迷わずぶった斬れ。俺が責任をとる」
『こら土方。すぐに斬れとか言わない。しかもその言い方じゃ誤解が生まれるぞ』
「あ?」
その言い方はまずいとすかさず注意する。土方はなんのことだと言わんばかりの顔で海を見た。
「マジですかィ?じゃ、侍見つけたら片っ端からたたき斬りますさァ。頼みますぜ」
そう言って総悟が真剣な顔で刀を手に取る。
ほら、言わんこっちゃない。
「おい、みんな。さっき言ったことはなしの方向で」
『だから言っただろうが。もう少し穏便にことを進めようとは思わないのかよ』
チンピラ警察。そんな言葉が頭に浮かぶ。確かにこれじゃチンピラだ。いや、チンピラというよりもヤクザに近い。
「海さん、もう体は大丈夫なんですかい?」
『おう。おかげはまですっかり治ったよ。ありがとな、総悟』
心配そうな顔で聞いてきた総悟の頭をふわりと撫でる。くすぐったそうにしながら「そりゃ良かったです」と笑った。
屯所に攘夷浪士が侵入した件以来、落ちた体力を戻すために率先してパトロールへと出かけた。まだ一人で行くのは危ないからと総悟と土方が一緒に着いてきてくれていた。
一週間ほどで筋力も体力も元に戻り、最近では道場で隊士達に何時間も稽古をつけてやれるところまで復帰した。
「でも、海さん。無理は禁物ですぜ。何かあったらすぐに言ってくだせぇ」
『もう大丈夫だとは思うけどな。まぁ、よろしく頼む』
「へい、任せてくだせぇ」
ほんわかとした雰囲気が海と総悟から漂う。周りの隊士達もそのほんわかした空気に煽られて顔には緩い笑みが浮かべていた。
「おめぇら……会議中に笑うとはいい度胸してるじゃねぇか。海以外全員ここで腹切れや……」
ドスの効いた声で土方が刀を取り、隊士達を追いかけ回したのはまた別の話。
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