第13幕
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「あの日、僕と神楽ちゃんと海さんで逃げていた時に船内で迷子になったんです」
ソファに座った新八が青ざめた顔で語り出す。
神楽は海の服を持って海と一緒に銀時の寝室の方へと逃げ込んだ。
銀時が落ち着いて海と話せるまでは近づいてくるなと告げて。襖を開けないようにと部屋の前に定春を置き、銀時が近づけば威嚇するように命令していた。
「それで」
「一箇所だけ扉が開いてたからそこに入ったんです。なんか箱が沢山置いてあって、その中を見たら銃とかよく分かんない武器があったんです。それを見てたら知らない人が入ってきてて」
「知らない人?」
「はい。三味線を背負ってヘッドホンしてた男です。倉庫にある武器を見てしまったのが悪かったらしく、男が僕達を殺すって言い始めて」
「それで海が応戦したのか」
「はい……。だけど、海さん僕たちを庇ってから……」
海のことだからきっと新八や神楽に汚いところを見せまいとしたのだろう。海ほどの実力があるものであれば、そんじょそこらのやつに負けるはずがない。
子供の前で人を斬るのが好きではない海ならきっと手を抜いていたに違いない。
「僕たちを気にしてくれてる間に男が使ってた紐?みたいなのに捕まっちゃって。海さんが動けない間に僕たちを殺そうと刀を取り出したんです」
新八たちが殺されるのを黙って見ていられるはずもない。海が置かれていた状況はよく分からないが、自身を縛る紐を引きちぎって新八たちの間に入り込んだのだろう。
持っている刀で相手の刀を受け止めるのではなく、新八たちが怪我をしないように咄嗟に守ったに違いない。
いつも変なところでバカになる子だから。刀を身体で受け止めたらどうなるか分かるだろうに。
「だから海さんは悪くないんです。僕達を守ろうとしてくれていたのに、僕達は逃げることもせずにただ見ていた。だからそのせいで……!」
「お前たちも悪くねぇよ。海は少しお灸をすえてやらないとダメだがな」
「なんでですか!?」
「怪我のこと黙ってたんだとよ。痛みを鎮痛剤で誤魔化して。もっと早くに医者に見てもらって手当されてれば治りだって早くなってただろ」
「……それはっ」
「お前らもどうせ喋るなって言われてたんだろ」
「……はい。あ、銀さん!?」
ソファから立ち上がって海がいる寝室へと向かう。襖の前に座っている定春が近づいてきた銀時に唸り声をあげはじめた。
「もう乱暴はしねぇよ。だからそこどいてくれ、定春」
「ガルルルルル」
「定春、そこどくヨロシ」
襖の向こう側から神楽が定春に声をかける。定春はワンっと鳴いて襖の前からどいてくれた。
「銀ちゃん、海に酷いことしたら怒るからネ」
「もうしねぇよ。安心しろ」
襖を開けて神楽が中から出てくるのとすれ違うように中へと入る。後ろ手に襖を閉めると、怯えた顔でこちらを見ている海と目が合った。
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