第13幕
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「刀傷って……どこでやられたんだよ」
「それがわからないんですよ。医者が言うには一週間くらいまえからの傷だろうって言ってやしたけど、一週間前に海さんが任務に出たような記録はありやせん」
「一週間前……?」
その頃といえば宇宙海賊春雨に乗り込んだ時くらい。でも、その時は怪我なんてしていなかったはず。
「ほんとに任務に行ってねぇのかよ」
「断言出来る。ここ数日の間は屯所にこもってたからな。その間、体調不良で会議を何度か退出したことがあった。そん時にあいつの部屋に行ったらこんなもんが出てきてな」
そう言って土方はテーブルの上にケースを置いた。それを手に取って見てみると、鎮痛剤と書かれたラベル。そして量は少ないが錠剤が入っていた。
「そのラベルの日付を見てみろ。丁度、一週間前。あいつが非番だった日だ」
「……非番?」
"手を貸してやるって言ってんだよ。貴重な非番の日を潰してでもな"
確かにあの日そう言っていた。貴重な非番の日と言っていたから普段そんなに休みは取れないのだろう。だとしたら彼らの言う直近の休みの日と言ったらその日に当たる。
それならいつ怪我をしたというのだ。全て終わった後、神楽と新八を受け取る際に確かに話はした。その時は何も変な所はなかった。海たちが応戦しないように桂が敵を引き付けていたし、表で銀時が騒いでいたから船内にいたヤツらは一人残らず外に出てきていたはずだ。
それなのに海は怪我をした。しかも背中に。
気配に敏い海が後ろからの攻撃に気づかないわけが無い。となると考えられるのは一つ。
「……そういうことか」
「あ?何か知ってんだったら話せ」
「悪ィけど、これは俺の口からは話せねぇわ」
「てめぇ、ふざけてんじゃねぇ。こっちは頭下げて聞きにきてんのにその態度はなんだ!」
銀時の言葉に土方は逆上し、今度は土方が銀時の胸ぐらを掴もうと立ち上がる。そんな土方を総悟は止めることもせずに真っ直ぐ銀時を見据えていた。
「旦那。知ってることがあるんだった話してくだせぇ。あの人に聞いたところで喋るような人ではないのはあんたが一番知ってるでしょう」
「だからだよ。話したくねぇ事の一つや二つは誰だってあんだろ。それを無理矢理聞いてどうするってんだ?お前らはそれで満足するかもしれねぇけど、話したあいつはどう思うんだ?」
「何勝手なこと抜かしてやがる!」
「勝手?それはお前たちの方だろが」
土方の言葉にイラッとして彼らを冷たく睨んだ。横に座っていた神楽も銀時の纏う雰囲気が変わったことに驚き、怯えた顔で土方たちとのやり取りを見守っていた。
「あいつに聞いて話さないのであれば今回の一件は忘れろ。気になるだろうけど、あいつが話せると思う日まで待ってやれ」
今はそう言うしか出来ない。全てを話したら海の素性がバレるからだ。自分と親しくしてるのでも危ういのに、そこに桂が関わってきたら完全に海は疑われるだろう。
そう思うと、指名手配なんてものにならなくて良かったとしみじみと思った。
.