第12幕
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「お手柄真選組。攘夷浪士、大量検挙。幕府要人、犯罪シンジケートとの癒着に直撃。うーん……銀ちゃん!」
新聞を読んでいた神楽が顔を上げて銀時を呼ぶ。向かいのソファに横になり、顔には開いた状態のジャンプを乗せていた。
「ああ?」
「癒着ってなに?」
「…………ぐう」
神楽の問いに沈黙からのわざとらしいいびきをする銀時。癒着の意味が分かりませんというあからさまな態度に、神楽は新聞をほっぽりだして銀時に詰め寄った。
「おい!とぼけてんじゃねぇぞ天然パーマ!」
「お、おい!知らねぇわけじゃねぇぞ!?あ、あれだ!ほら、ちょっと今思い出せないだけだから!後で思い出すから!ド忘れしてるだけだから!!」
「知るか!今答えろヨ!早く教えろよ!」
銀時の胸ぐらを掴んで揺さぶる神楽。
グラグラと揺さぶられて顔を青くする銀時の図。
「それより銀ちゃん」
「こ、今度はなんだよ……」
「海は大丈夫アルカ?」
「あ?またそれかよ。新八といいてめぇといいこの間からなんなんだよ」
神楽のこの問いは数日前から続いている。
神楽だけでなく、新八までもが顔を合わせる度に一言目には海の名前を出す始末。随分海に懐いてるみたいだなと思っていたが、なにやらそれ以上のものがあって聞いてきている気がするのは考えすぎだろうか。
「今、お前も新聞読んでただろうが。真選組は仕事が忙しいみたいで、そんなひょこひょこ顔出せねぇんだろ」
自分で言っといて自分で寂しくなる。
つい数日前まではちょこちょこ休みの度に顔を出しに来ていたのが、ぱったりと途絶えてしまっている。
海に会いたいと思うのは神楽や新八だけに限ったことではない。自分だって同じなのだから。
「そう……海、忙しいのネ」
「なんだよ。なんかあったのかよ」
「な、何も無いアル!」
探るように神楽の顔を覗き込めば、神楽は瞬時に飛び退いて銀時と距離を離す。その姿に不信感がつのる。怪しい。何かを隠しているのではないか?
「おい、神楽。何隠してやがる」
「なんもないアルヨ。銀ちゃんの思い過ごしネ」
「あ?」
神楽に詰寄ろうとしたときにインターホンが部屋に響いた。神楽はこれ幸いと嬉々としながら玄関へと走っていってしまった。
客人が来たのであればこれ以上神楽を問い詰めることも出来ないだろう。聞くのは後にするか、と銀時は諦めてソファへとその身を沈みこませる。
「おい、銀髪の男はいるか」
「万事屋の旦那ァ。ちょっと聞きたいことがありやすから面を貸してくだせぇ」
「あ?」
無遠慮に部屋の中に入ってくる二人組の男。煙草をくわえた瞳孔開きまくりな男と栗頭でバズーカを片手に持っている男。どこかで見た顔だなと思う銀時の目に入る隊服。
そういえば海も同じような服を着ていたような。と思い出した銀時は訝しげに二人を見つめた。
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