第12幕
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「この野郎……寝てる時まで人をおちょくった顔しやがって」
アイマスクをした総悟がすやすやと寝ているのを土方は睨みつける。アイマスクには目の絵が描いており、その目はこれでもかというくらい開いているものだった。
「おい、起きろこら!」
刀の切っ先を総悟に向けて声をかける。仕事中に関わらず居眠りとはどういう了見しているんだと文句を口にすれば、のそりと総悟が起きて気だるそうに土方を見上げた。
「なんだよ母ちゃん。今日は日曜だぜ。……たく、おっちょこちょいなんだから」
土方を鬱陶しそうしながらアイマスクを外し、固まった体を解すように腕を動かした。
「今日は火曜日だ!!」
そんな総悟に額に青筋を浮かべてすかさずつっこみ、やる気の見られない総悟を強く注意した。
「てめぇ、こうしてる間に攘夷浪士が乗り込んできたらどうすんだ!仕事ナメんなよゴラァ」
「俺がいつ仕事ナメたってんです?俺がナメてんのは土方さんだけでさぁ!」
眠そうな目はどこへやら。キッと凛々しい目で土方を見る総悟。セリフがこんなでなければかっこいい顔をしているのだが。セリフがこんなでなければ、だが。
「よーし、勝負だ!剣をぬけぇぇ!」
その言葉にブチ切れた土方が青筋を浮かべながら怒鳴る。以前、海に『安易に刀を抜くな』と注意を受けているにも関わらず、総悟に向けて刀を抜こうとしている土方に総悟はやれやれと肩を落とした。
そんな不毛な言い合いをしている二人の頭へと落とされる拳骨。痛みに悶えながら頭を押さえてしゃがみこむ彼らの横に立つ真選組局長、近藤。固く握りしめた拳を作っているところからして、二人の頭に雷を落としたのは彼なのだろう。
「仕事中に何遊んでんだ!お前ら何か!?修学旅行気分か、枕投げかこの野郎!」
そしてその近藤の後ろから冷めた目で静観していた海。
『すみません、騒がしくて。すぐに収めますので……』
「いやいい、私がやる」
『ですが、禽夜様!』
お待ちくださいと声をかけようとしたが、禽夜の手が出る方が早く、土方と総悟と同じように近藤の頭にも雷が落ちた。
「お前が一番うるさいケロ!ただでさえ気が立ってるというのに!」
「あっ、すんません」
座り込むトップスリー。そして頭上から説教をかますカエル……幕府の高官として今回身辺警護依頼をしてきた天人、禽夜。
ぼけっとした顔で禽夜を見つめる三人を見て、額に手を当てて海はため息をついた。
『……しっかりしてくれよ……はぁ……』
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