第11幕
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「大丈夫ですかね、海さん」
「顔色があまり良くなかったな。また徹夜でもしているのか?」
「さぁな。この間非番をやったはずだが。まさかあいつ仕事してたのか?」
「いや、部屋にはいませんでしたよ」
「ならどこに行ってたんだ」
「さぁ。何も言わずに出てったみたいです。山崎に聞いてもわからないって言ってやしたから」
「そうか……無理をしていなければいいんだがな」
海が居なくなった会議室で、真選組トップスリーが頭を抱えた。その姿を黙って見つめる隊士達。
他の隊士達も近藤達と同じく、海の顔色の悪さには気づいていた。だが、彼がなんとか隠し通そうとしているのを見て、中々声をかけられなかったのだ。
もし、声をかけてしまえば彼がもっと無理して笑うだろうから。海の性格をよく知るがゆえの判断だったのだ。
「トシ、後で海に伝えといてくれるか?」
「あぁ、それは構わない」
「頼む。それと当たり障りない程度に聞いといてくれ。あまりにも体調が悪いのであれば、海のとこにいく書類を減らそう」
「その分は俺に回してくれ近藤さん」
「近藤さん、俺も手伝いやすぜ」
「そうか、やってくれるか。頼んだぞ、トシ、総悟」
あの書類嫌いの沖田隊長が自ら書類を捌くと申し出たことに隊士たちがどよめく。それほど海のことを大切にしているというのがよく分かる会話だった。
「これにて今日の会議は解散とする。みな、今日話したことを忘れるなよ」
「「「はい!」」」
「解散!」
近藤の言葉にゾロゾロと隊士達が会議室を出ていく。
最後に残ったのは近藤と土方と沖田の三人。
「そういえば近藤さん、宇宙海賊春雨の一派を沈没させた侍が三人って言いやしたよね」
「あぁ、それがどうした?」
「一人は桂だとして、残り二人は誰なんですかィ?」
「それがわからないんだ」
「わからない?どういうことです?」
「山崎に偵察させたんだが、あの場から桂の野郎が去っていくのは見えたらしい。だが、もう一人の方は顔を確認することは出来なかったそうだ」
「じゃあ、もう一人の方は……」
「メイド、だったらしい」
「メイド……ですかい?」
「あぁ。メイドだったらしい。メイド服に身を包んだ髪の長い女と聞いたぞ」
「へぇ。攘夷党に女なんているんですねェ」
「しかもメイド服ときた。メイド服か……お妙さんが着てくれたらなぁ……」
「まだあんたは諦めてなかったのかよ!!」
「メイド服……海さんが着ても似合いそうですねぇ」
「「……確かに」」
海本人が居ない間にこんな話で盛り上がっていたなど誰も知らない。本人に知れたら、確実にこの三人は亡きものとなるだろう。
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