第11幕
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「えー、みんなもう知ってると思うが先日、宇宙海賊春雨の一派と思われる船が沈没した。しかも聞いて驚けこの野郎。なんと奴らを壊滅させたのはたった三人の侍らしい」
『三人の侍ねぇ』
「そうなんだよ海くん!!すごくない?ねぇ、すごくない!?」
『そうだな、凄いな』
ガシッと近藤に両手を掴まれ、キラキラとした目で見られる。内心ウザったく思いながらも、愛想笑いを浮かべて同意すれば、近藤は嬉しそうに笑った。
そうなるのも仕方ない。会議中にも関わらず、隊士全員が近藤の話に耳を貸さずに個々に雑談をしているのだから。
そんな光景にため息を漏らし、この間の一致団結はどこにいった。局長の敵討ちだと行って江戸中を駆けずり回っていた隊士はどこへ行ったんだと呆れた。
誰一人として近藤の話を聞かない部屋の中で、唯一耳を貸したのは海と土方のみ。副長の土方がそんな状態を黙っていられるはずもなく、傍らに置いてあったバズーカ構えた。
撃たれるであろうバズーカから逃げるために隅っこへと避難。ひっそりとバレないように、痛む背中を庇いながら他の隊士たちから離れた。
バズーカの信号音と発射音。それに伴って隊士達の悲鳴が部屋に響いた。
⋆ ・⋆ ・⋆ ・⋆
「えー、みんなもう知ってると思うが先日、宇宙海賊春雨の一派と思われる船が沈没した」
そして話は振り出しへと戻る。最初と違うのはきちんと正座して近藤さんの話に耳を傾ける焼け焦げた隊士達。みな、土方のバズーカを食らって髪がボサボサになり、隊服は煤だらけとなっていた。
近藤の言葉にわざとらしいリアクションを返す隊士たちを面倒くさそうに眺める。
『(最初からちゃんと話を聞いていればそんなことにはならなかっただろうに)』
ぷすぷすと煙が舞う部屋の中でただ一人心の中で呟いた。
「白々しい。もっとナチュラルに出来ねぇのか?」
「トシ、もういい。話が進まん。この三人のうち一人は攘夷党の桂だと言う情報が入っている」
その情報は誰が得たものなのか。ちらりと隊士たちの方へと視線を移すと、真ん中の方でとある隊士が近藤の言葉に小さく頷くのが見えた。
『(監察は伊達じゃないってことか。厄介だな)』
山崎の手腕によるものだった。山崎は確かに優秀な監察だ。それ故に海の行動も制限されるだろう。これからはもう少し慎重に動かねば。桂や銀時と同胞だったことが近藤の耳に入れば厄介なことになる。
ただ、これだけの観察眼を持ち合わせているのであれば、屯所に侵入していた桂にも気づいて欲しい。と思ってしまった。
.