第9幕
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パシャッ!
「うわっ」
新八の顔面に天人が冷たい水を浴びせる。突然のことにぼーっとしていた意識が一気に覚醒した新八は戸惑いの色を見せた。
「おーい、起きたか?坊主」
しっかりと目を開けて周囲を見ると辺りは天人だらけ。見知らぬ天人に囲まれている状態に冷や汗をかき恐怖に顔が染る。
「おねむの時間はおしまいだよ。まったく、こんな若いのに海賊に捕まっちゃうなんてかわいそうにねぇ」
「あっ……そうなんだ?僕、海賊に捕まったんだ……」
気絶する前の記憶を必死に呼び起こす。確か神楽と共に、と思い出した時、ハッと顔を上げた。
そこには自分と同じく眠らされているであろう神楽の姿。
「神楽ちゃん!」
天人によって海に落とされそうになっている神楽。剣の先で吊るされている神楽は未だに目を覚ます気配は無かった。
「おじさんはね、不潔なヤツと仕事の邪魔をするヤツが大嫌いなんだ。もうここらでジャマなネズミを一掃したい。お前らの巣を教えろ。意地張るってんならこいつは死ぬぞ」
「何の話だよ!」
「とぼけんな。てめぇらが攘夷志士だってのは分かっている」
「え?」
攘夷志士。ここ最近よくきく単語の一つ。
なぜ自分たちが攘夷志士だと思われているのかはわからないが、天人に勘違いされてここに連れてこられ、神楽が危ない目にあっているというのだけはわかった。
「てめぇらのアジトを教えろって言ってんだよ!」
髪を掴まれて揺さぶられる。両手が縛られている以上、反抗することも出来ないでいる新八はされるがままだった。
「桂の野郎はどこにいんだ?」
「何言ってんだお前ら!僕らは攘夷志士じゃないし、桂さんの居場所なんて知らない!神楽ちゃんを離せ!ここは侍の国だぞ!お前たちなんか出てけ!!」
「侍だ?そんなもんもうこの国にはいねぇ」
冷たくあしらう天人。
新八と天人が言い合っている間に神楽は目が覚めたらしく、新八に向けてにやっと笑みを浮かべる。自分を吊るしている天人に蹴りを一発お見舞して空を飛んだ。
「神楽ちゃん!!!」
「足手まといになるのはごめんヨ。バイバイ」
そう言って落ちていく神楽を新八は見ていることしか出来なかった。
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