第9幕
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「いっそ捨てちまえば楽になるんだろうが……」
そう言って銀時は俺の方へと振り返る。
振り返った顔は優しい笑みを浮かべていた。
「どうにもそういう気にはなれねぇ。あいつらがいねぇと歩いててもあんまり面白くなくなっちまったからよ」
それほど銀時にとって新八と神楽は大切な存在なのだとわかる。例え命を削ってでも助けに行くほどの価値があるのだと。
『桂、これはもう何を言っても聞かないだろうな』
「仕方あるまい。銀時、お前には池田屋での借りがあるからな。行くぞ。海も手を貸してくれ」
『最初からその為に呼び出したんだろ?ツンデレ桂』
「何をいうか。それに私はツンデレではない。デレデレだ」
『いや、それはそれで気持ち悪い』
きょとんとしている銀時の右隣に桂が立ち、銀時の左隣に俺が立つ。片腕では荷物を持てない銀時に桂が、飛び込まれたとしても肋骨をやられていて抱えられない代わりに俺が。
『手を貸してやるって言ってんだよ。貴重な非番の日を潰してでもな』
「海、ヅラ……」
「ヅラじゃない。桂だ」
『とりあえず俺は変装しねぇと。顔がバレるのはちょっとまずい』
今は非番だから着流しでいるのだが、奴らに顔を見られるようなことがあっては困る。
何かの拍子にバレるようなことがあれば、真選組に迷惑がかかってしまう。
「ふむ、海よ。これなんてどうだ?」
『え"、それ着るのか……?』
「あぁ。どうだ?」
「おっ。いいんじゃねぇの?ぴったりじゃねぇか。いや、てか、ヅラ!てめぇなんでこんなもん持ってだよ!!」
「仲間にこういう趣味を持つものがいたのでな。拝借してきた」
『……拒否することは可能か』
「これ以外に変装グッズは持ち合わせていないぞ」
「もういんじゃね?これで、ほら、海くん今日だけだから。ね?ね??」
『お前たち……後で牢にぶち込むぞ……』
桂に渡された服を震える手で受け取る。
変装するしかないとはいえ、この服でいけと言うのか、こいつらは。
ふざけんのも大概にしろよ……なんで……なんだって……。
『なんで俺がメイド服着なきゃなんねぇんだよ!!!』
桂から渡されたのはごく一般的なメイド服。そこらのメイド喫茶とかで女性が着ているタイプのもの。
にやにやしながら早く着替えてこいよと急かす銀時の腹を軽く殴り、きっと似合うと思うぞ!とガッツポーズをした桂を蹴り飛ばした。
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