第8幕
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『ん……』
「前回の時は銀髪の男や変な娘に酷い目に遭わされたが、これでペスを失ったキズも癒えるというもの。それにこんな美人まで手に入って……今日はいい土産が見つかった。なっ?じい」
やけに高い声が耳に入って目が覚める。車の走行音が聞こえるところからして車に乗せられているのはわかる。でも、どうしてこうなった?
ぼやけている記憶を手繰り寄せるようにさっきまでのことを思い出す。
確か犬の尻尾を踏んでしまった銀時が犬に追いかけ回されて車道に飛び出したんだっけか。その後、車に引かれて……銀時と新八を庇おうとして俺も一緒に飛び出してしまったのだ。
『……痛てぇ……』
「おお。起きたかの」
『誰だあんた……』
「お前、私のことを知らないのか。私はハタ皇子じゃぞ!」
『ハタ……皇子……』
ハタ皇子?今日朝見かけたテレビに映っていたのは確かハタ皇子。うん?なんでここに?
「いい土産じゃの。ほんといい土産じゃ」
ズキズキ痛む頭のせいで上手く考えがまとまらない。とりあえず目の前でニヤニヤ笑う皇子が気持ち悪くて仕方ない。
そんな中、車の運転が荒くなった。運転手が何かに気を取られてハンドル操作をミスったのだろう。蛇行運転により体が揺れて吐き気を催す。
『うっ……気持ち悪……吐く』
喉の当たりまでせり上がってきているものをなんとか出さないようにするが、蛇行しまくっている車のせいでどんどん吐き気が助長されていた。
『あっ、もうむりぃ』
「うわっ、こいつ吐いた!じい!こいつはいた!」
「ちょ、それどころじゃないっつの!バカ皇子!」
上から銀時が、後ろから神楽が迫ってる中、車内では俺がオロロロとしている混乱。神楽が定春を返せえええええ!と叫びながら番傘で車を吹き飛ばす。
「海!」
『ぎ、ん』
吹き飛ばされる車の中から無理やり外に引っ張りだされる。犬も無事、銀時によって助けられていたみたいだった。
「大丈夫か?」
『吐いたけど大丈夫』
「夢主人公としてあるまじき行動だなそりゃ」
『夢小説としてあるまじき発言だなおい』
銀時に抱えられるようにして木の上へと降り立つ。そばには犬も大人しく座っていた。
『大丈夫か?犬』
「ワン!」
「なんでお前は噛まれないんだよ……」
『しつけしろしつけ。噛んだらすぐにいけないことだと教えろ』
犬を殺してしまったと泣いている神楽の元へ走っていく犬。神楽は犬の姿を見て笑顔になりその目にはもう涙はなかった。
『あ、やべ。もう帰らないと』
「送ってくか?」
『ケンカになりそうだから遠慮しとく。ありがとな、銀時』
「どういたしまして」
「海!定春助けてくれてありがとうネ」
『お礼を言うなら銀時だと思うぞ。こいつも轢かれたのにすぐに犬をおっかけ……むごっ「はいはい、海くんはもうお家に帰りましょうねー。またあの2人組がこられちゃ銀さん困っちゃうからー」』
銀時に口を塞がれて言葉が途切れ、神楽は不思議そうに首を傾げていた。
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