第8幕
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『近くで見るとでかいな……』
土方と総悟が銀時に話しかけている間に遊び疲れて眠っている犬をまじまじと見る。犬してはかなりの大きさのもの。大人1人くらいペロリと食べてしまいそうな口に、白くてもふもふとした毛並み。小さい子供くらいの尻尾をたしーんっと地面に打ち付けていた。
『よしよーし』
寝ている犬の頭をわしゃわしゃと撫で回す。ぴくりと動いた耳に起こしてしまったか?と心配したが、無意識に耳が動いただけで瞼が開くことは無かった。
『可愛いな……』
わしゃわしゃと気が済むまで撫でる。こんな風に犬と戯れたことなど無かった俺にとって初めての経験。もうずっとこうしてたい。
「ちょ、海!そいつ危ないからこっちに来てなさい!」
『は?』
「すぐ噛む犬だから!危ないから!」
『お前しつけしてないのかよ』
「しつけしようとしても無駄なんだって……あっ」
銀時の顔がどんどん青ざめていくのを見て首を傾げた。なんでそこまでこの犬に対して怖がる必要があるんだ。こんなに大人しいのに。
銀時がガタガタ震えながら俺の後ろを指差したのでゆっくりと後ろを振り向けば、先程まで眠っていた犬が大きな欠伸をしながらのっそりと起き上がっていた。
『おお、起きたか』
「海ィィィ!!今すぐそこから逃げろオオオオ」
犬に手を伸ばそうとする俺の首根っこを掴んで引き摺る銀時。犬はくぅん?と鳴いてこっちを見ていた。
『おい!銀時!離せっつの』
「お前はあの犬がどんだけ凶暴か知らねぇからそんなことできんだよ!」
「だ、大丈夫ですか!?海さん!」
よく見ればズタボロな銀時と新八。なんでこいつら犬の散歩にこんなボロボロになってるんだ?
必死な形相で聞いてくる新八に大丈夫だと一言告げると、酷く安心した顔で良かったァァと言われた。
「海さん、この犬は諦めやす。別の動物探しましょう」
『お、おう』
「どうしたんです?」
『ん?んー……先帰っててくれないか?』
「海さんは帰らないんですかい?」
『……犬』
じっと犬を見つめる俺を見て何かを悟った総悟はあまり遅くならないでくだせぇ。遅かったら迎えに来ますからね。と言って土方と一緒に公園を出ていった。
「なに?海くん、そんなに銀さんと一緒にいたいの?」
『違う。あの犬可愛いなぁって』
「「!?」」
「ど、どうするよ新八!海の目がおかしくなってんぞ!」
「どうするもこうするもないでしょう!海さんすっごい目で見てますよ!あれもう触りたそうですよ!」
ギャーギャー騒いでいる間に俺は犬に手を伸ばして頭を撫でる。大人しく撫でられている犬が可愛くて仕方ない。
『お前やっぱ大人しいな』
「ワン!」
「「懐いてるだと!?」」
「ギャイン!」
「あっ」
グルグルと唸りながら怒る犬に銀時はプルプル震えながら足元を見る。黒いブーツが尻尾を踏んづけているのが見えて、さーっと血の気が引いた。
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