第8幕
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食堂を出た後、総悟を連れて副長室へと向かった。襖の前で一声掛けると中から入るようにと土方の声が返ってくる。ゆっくりと襖を開けた海を出迎えたのは煙草の煙。
「来たか」
『来たか、じゃねぇよ。こんなに煙草吹かしやがって』
「あ?ここは俺の部屋だ。何しようと俺の勝手だろうが」
『この部屋に来る人間のことも考えろよ。それで?なんで今日は呼ばれたんだ?』
換気の為に襖を開けたままどかりと床に座る。土方は開けっ放しの襖を指差して閉めろと促してきたが無視した。
「お偉いさんのペット探しだ。手伝え」
『書類があるんだけど』
「書類よりもこっちが優先だ。書類は後に回せ」
『今日中に出さないといけないものもあるんだが?』
「山崎ィ!」
「は、はいいいいい」
「おめぇ、今日暇だよなぁ?」
「い、いや、今日は俺非番です」
「暇だよなァァ?」
「は、はいいいい」
どこからともなく現れた山崎に詰め寄る土方。大方、海の書類を山崎にやらせるつもりなのだろう。非番の人間を引っ張り出してまでやるものではない。そう思って首を横に振って断った。
『いい。帰ってきたら自分でやる』
「お前、昨日も徹夜してただろうが」
『まだまだ若いんで二日くらい全然余裕』
「目の下にどす黒いクマ作っといて言えるセリフか!」
『どす黒くねぇよ。可愛いクマさんだろうが』
「てめぇはいい加減休め!!」
「土方さんの言う通りですぜ海さん。たまには休んでくだせぇ」
ひょこりと顔を出した総悟がやれやれと呆れたような表情を浮かべる。元はと言えば彼がきちんと書類を終わらせてくれれば海のところに書類が流れ込んでくることはなかったのだが。
『俺の部屋にある書類の大半はお前のものなんだけどな、総悟』
「なんのことですかねぇ」
「山崎、海の部屋から書類取ってきてやれ。今すぐに」
「了解です!」
『ちょ、山崎!』
止める声も聞かずに山崎はその場からサッと消える。相変わらず素早い動きだなと感心しつつ、指示した土方を軽く睨んだ。
「ということだから海も手伝え」
『動物なんかそこら辺の犬猫でいいだろが』
「そんなんじゃご満足していただけねぇんだよ」
『めんどくさいやつだな。誰だよそいつ。そいつが人間様のペットになれよ』
「ただの奴隷じゃねぇか!」
『そこまで言ってねぇ』
そんなこんなでお偉いさんのペットを探すためにと屯所を出ることになった。そういえばどこかの皇子も動物を見に来ているとかって聞いたような。
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