第7幕
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「確かにお前なら有り得なくねぇな」
突然、男は銀時に向けて刀を投げる。足元に転がった刀を手に取ってみると、それは普通の物より軽く短い刀身。
「これもしかして……」
こんなに刀を軽くしているようなやつは一人しかいない。機動性を重視するために極限まで刃を薄くし、小回りが利くようにと刀身を少し短くしてある。そんな折れやすく使いづらい刀を使っている人間なんて海しかいない。
「あいつ……」
海が昔使っていた刀は別の人間が持っている。これは新しく作ったものなのだろう。この刀を作った刀匠はきっと海に文句を言ったはずだ。よくこんな物を作ってもらえたなと銀時はほのかに笑った。
昔の思い出に浸っていると、視界の隅で何かが飛んでいくのが見えて銀時は顔を上げる。
「なんのマネだこりゃ……っ!」
飛んで行ったのは鞘。目の前にいた男は刀を抜いて銀時に斬りかかってきていた。すぐさま持っていた刀を盾にしたが受身が中途半端だったために後方へと吹き飛ばされる。
ごろごろと屋根の上を転がっていく。ギリギリのところで落ちないように踏ん張ったが、体のあちこちを固い瓦に打ち付けたせいで鈍い痛みが全身を襲った。
「何しやがんだてめぇ!」
「ゴリラだろうがな……俺たちにとっちゃ大事な大将なんだよ。こいつ一本で一緒に真選組を作り上げてきた俺の戦友なんだよ。誰にも俺たちの真選組は汚させねぇ。その道を遮るものがあるならば……こいつで叩き斬るのみよ!」
そう言って斬りかかってくる男。聞きたいことは山ほどあるのに男はそれを許さない。
「刃物を……プラプラ振り回すんじゃねぇ!」
がら空きの男の背を飛び蹴りで吹っ飛ばすが、くるりと回った男がこちらを見て不敵に笑ったのが見えて目を見開く。その瞬間、左肩に鋭い痛みに顔が歪んだ。
「おい、銀さん。てめぇ遊んでたらギャラ払わねぇぞ」
騒ぎに気づいたハゲが銀時へと声をかける。刀で斬られて痛む肩を手で押えながら警察を呼ぶようにと声をかけたが、自分を斬った男がにやりと不気味な笑みを浮かべた。
「俺が警察だよ」
「あっ、そうだったな。世も末だなおい。ったく、まともな警察は一人も……いや、一人はいるか」
思い浮かぶは目の前の男と同じ服に身を包んだ人物。あの子はこんな野蛮な奴らと一緒にしてはいけない。
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