第7幕
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「まったく、ハゲと一緒にいたらこっちまでハゲになっちまうっつの」
こんな仕事受けなければよかったかと思いつつ、銀時は釘を打ちながら悪態をついた。滞納している家賃代をどうにかしろと怒られて嫌々仕事をしているのだが、久しぶりに身体を動かしているせいでもう疲れてきた。
帰ったら酒でも飲んでゆっくりしたいところだ。
「そういえば……」
海も仕事をしていたような。落とした木材を取りに下に降りた時に偶然海に会った。なんでここに、と呟いた彼は焦りの表情。
その理由はすぐに分かった。海のそばには同じような服を着た男たち。彼らに自分の存在を知られたくないのだろう。
いつだったか海の上司を負かしてるし。それに……。
「昔のことを内緒にしてて欲しいってことだよなぁ」
かつり、と靴音が聞こえて銀時は振り返る。
「爆弾処理の次は屋根の修理か?節操のねぇ野郎だ。一体、何がしてぇんだ?てめぇは」
視線の先には海と一緒にいた男。
「爆弾?」
爆弾という単語に身に覚えがなくて首を捻る。そんな物騒なものを手なしたことあったか?と疑問に思ったが、桂との一件を思い出して納得した。
あいつに嵌められたせいで真選組には追われるわ、死にそうになるわ、長い取り調べを受けるわと散々だった。
そのおかげで海とも再会出来たから全て水に流したが。
そう言えばこの男はどこかで見た覚えがある。あの爆弾騒ぎの日に会ったような。
「お前、あんときの……海の──」
そこで銀時は口を閉じる。口走ってしまった言葉は相手にちゃんと聞こえてしまっていたらしく、海の名前が出た途端、銀時を強く睨みつけてきた。
「やっと思い出したか。てめぇなんでうちの人間のこと知ってやがる」
「え?だって取り調べしたのあの子じゃん」
精一杯の誤魔化し。海が銀時を取り調べしたのは事実だから嘘にはならないはずだ。幼なじみとか変な事を言わなければ大丈夫なはず。
「ふーん……取り調べねぇ。それにしてはやけに親しみを込めて呼ぶじゃねぇか」
なんだこいつ。やけに突っかかってくるじゃないか。
「別にいいだろ。なに?警察の人間と友達になっちゃいけない理由でもあんの?」
「アイツに関わるんじゃねぇ」
「なに?独占欲?」
怒りを滲ませて男は呟く。それはまるでお気に入りの玩具を取られそうになっている子供のように。
「(ああ、こいつもか)」
どうやらこの男も海のことを好いているらしく、ぽっと出の銀時に敵対心を抱いている。
突然現れた奴が海の友人になったなんて聞いたら銀時もいい気はしない。自分だったら徹底的にその相手を調べ、海に危害を加えない奴かどうか判断する。
きっと、目の前にいる男もそうするはずだ。
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