第6幕
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「てめぇ、危ねぇだろうが!」
総悟との言い合いが終わった土方は銀時に向かって怒鳴る。その際に海の腕を掴んで後ろに下がるように引っ張った。
「だから危ねぇっつったろう」
「もっとテンション上げて言えや!分かるか!」
「うるせぇな。他人からテンションのダメ出しまでされる覚えはねぇよ」
土方と銀時が口喧嘩をしている間に総悟が「あっ」と呟く。
「海さん、銀髪の男ってアイツですかね」
『……さぁ』
総悟は銀時をじっと見つめながら呟く。それは総悟だけでなく土方も同じだったらしい。
「てめぇ、池田屋の時の……そうか、そういやてめぇも銀髪だったな」
「えーと、君誰?あぁ、もしかして多串くんか?あらら、すっかり立派になっちゃって」
まるで旧友を相手にしてるかのような態度の銀時に土方の怒りゲージはゆっくりと上昇していく。
「なに?まだあの金魚でかくなってんの?」
我慢の限界だと土方が口を開いた時、真上からおっさんの声が聞こえてきた。
「おーい、銀さん!早くこっち頼むって!」
確か銀時は仕事中だと言っていた。屋根に登ってする仕事なんて大工くらいしかないのだが、銀時はそんなこと出来ただろうか。
「じゃ、多串君。俺仕事だから」
ひらひらと手を振って銀時は梯子に足をかける。屋根に登った後、銀時は一瞬こちらへと目を向けバチッと海と目が合った。
ただそれだけで何を言うでもなく銀時は海を少し見てから仕事へと戻っていく。
「行っちゃいましたよ。どうします?多串君」
「誰が多串君だ!」
『何だ金魚って。いつの間に金魚なんて飼ってたんだ?』
「てめぇも悪ノリすんじゃねぇ!あの野郎……僅か三、四週で人のこと忘れやがって」
『嫌いな人ほど早く忘れたいって思うだろ?』
「海さんの言う通りですぜ。こんな瞳孔開きっぱなしの男なんてすぐに忘れたくもなりやすって」
「てめぇらは黙ってろ!!おい、海!刀貸せ」
『何に使うんだよ』
腰にある刀を鞘ごと抜いて差し出すと、土方は奪い取るようにして刀を持っていった。
『怪我、すんなよ』
「俺を誰だと思ってんだ」
『マヨネーズが大好き過ぎて脳みそまで脂でできてる男』
「てめぇは総悟に感化されすぎだろうが!!」
『行くなら早く行けよ。この後も仕事あるんだから』
しっしっと手を振って急かせば、ブツブツと文句を言いつつ土方は梯子を上って銀時の元へと行った。
『全く……忙しない』
「これだから血の気の多い奴はめんどくさいんですよ」
呆れた顔でため息をついた総悟は屋根の上に行った土方を見るべく場所を移動した。
『あいつ……俺の刀使えるのか?』
きっと土方は海の刀を銀時に渡すだろう。普通の刀より薄く、少しばかり短い刀。力量を間違えればあっという間に折れてしまう特殊な物を銀時は使いこなせるのか。
『すぐに気づくと思うけど……』
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