第6幕
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銀髪の侍。もとい銀時を探しながら土方は昔の事を語る。今、真選組として海たちが江戸にいるのは全て近藤のおかげだと。だからあの人の立場が悪くなるというのであればどんな手を使ってでもそれを振り払う。
と言っている土方を余所に海はダンボールの中に捨てられていた子犬を見ていた。
『可愛いなこいつ』
「ですねぇ。うちに持ち帰って飼ったらダメですかね」
『ちゃんと育てられるのか?』
「立派に育てますぜ。土方を噛み殺せるくらいに」
『却下。犬になんてことさせてんだよ』
「お前らは俺の話を聞いてたのか!?」
『なんのこと?』
「チッ」
全く話を聞いていなかった海と総悟は不思議そうに首を傾げた。イラッとした顔をしつつも土方は舌打ちをしただけで、それ以上は何も言ってこない。
そんな時、何かが空を切る音が聞こえた。上を見上げると木材らしき物が空から降ってきている。何故そんなものが?と思いながら海は総悟の腕を引いてこの場から避難。
「おい、にいちゃん危ないよ」
「えっ?」
上から落ちてきた木材は土方の頭へと落ちそうになるが、ギリギリのところで土方は上手く避けた。
「お前ら知ってたなら言えよ!」
「海さんが助けてくれたんです。ありがとうございます」
『どういたしまして。土方は……大丈夫だな』
「俺も助けろよ!!」
『お前は頑丈だから大丈夫だろ?』
「頑丈だったら助けなくていいなんて理由にはならねぇだろうが!」
『仕方ねぇな。ほら、大丈夫か?』
木材が落ちた時に舞った砂埃が土方の上着についていたのでそれを払ってやり一応怪我をしてないかと確認。
「べ、別に怪我はしてねぇよ」
『なんで狼狽えるんだよ』
「土方さんスケベですねぇ」
「てめぇは黙ってろ!」
仲がいいのか悪いのかわからない二人だな、ほんとに。
腰に手を当てて呆れた顔で土方と総悟の言い合いを眺めている間に上から男が下へと降りてきた。
土方の足元に落ちている木材を手に取り、一言文句を言ってやろうと男へ近づく。
『こんなもん落としたら危ないだろ』
「すんませーん。ちゃんと見てなかったもので……あれ?」
聞きなれた声に海は目を見開く。それは相手も同じだったようで、被っていたヘルメットを外して男は海を凝視する。
「海?」
『なんで、ここに……』
「仕事中だけど……海は?」
まさかここで銀時と遭遇すると思っていなかった。突然のことに狼狽える海に銀時は首を傾げる。
『見回りの途中……』
「ふーん。忙しそうだな、そっちも」
まだ総悟と土方はこちらに気づいていない。今の間に銀時にどこか行ってもらおうと思ったが、銀時はその場に立ち尽くしていて動く気配がなかった。
『銀時、今は……』
「余計なことは言わねぇから」
『え?』
「心配すんなよ」
海の気持ちを見透かしたように銀時は呟く。
「だからそんなに怯えることはねぇよ、海」
『銀時……』
大丈夫、と銀時は一言。その言葉に安心したが、それが間違いだった。
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