第6幕
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『こんなんでその銀髪の侍が出てくるのか?』
「さァな。あいつらが勝手にやり始めたことだ。何がなんでも探し出してくるだろうよ」
会議の結果、近藤を負かした相手を探し出して成敗するという流れになった。
汚い手を使って決闘に勝った銀髪の侍が許せないと言った隊士らは何枚もの張り紙を街中に貼って、銀時を血なまこになって探している。紙にはしっかりと真選組の名前が入っていて、誰が見てもこの間の決闘の件だろうと察しがつく。
『焚き付けたのは土方だろうが』
「俺は何も言っちゃいねぇ」
「そんなことないですぜ。土方コノヤローがウワサを振りまかなければこんなことにはなりやせんでしたよ」
「いや、お前が触れ回ったせいだろうが!なんで全部俺のせいなんだよ!てか、お前も止めろよ!」
『自分の仕事をしてたから知らなかったんだよ』
知ってたならちゃんと止めてた。そもそも決闘の話を自分たちの中で留めておけばよかったのに、土方が総悟に話したことでこうなったんじゃないかと逆に問い詰めたら土方はぐっと押し黙る。
そんなやり取りをしながら市中のそこら辺に貼られた紙を一枚一枚回収していく。屯所から持ってきたバケツの中は既に丸めた紙でいっぱいで入り切らない。
そこかしこに貼られた紙はまるで広告のようだ。たった1mの距離で張り紙は十数枚ほど見つかる。電柱や掲示板などならまだ許せるが、あいつらは民家や店などにも貼り付けていて、人様に多大な迷惑をかけていた。
『これ全部取らないと今日は帰れねぇな』
決闘で負けたことよりもこの貼り紙の方が恥を晴らしている気がしてならない。
「海さん、向こう側のやつ持ってきました」
『中身をどうにかしないともう入らないな』
「そんなもん燃やしちまえばいいだろ」
総悟が持ってきた紙をバケツに入れようとしたが、横からボロボロと丸めた紙が落ちていく。転がった紙を土方は面倒くさそうに広い上げる。上着のポケットからライターを取り出したかと思えば、火をつけて紙を燃やそうとし始めた。
『おい!ここでそんなことするな。水もねぇのにどうやって消す気だ』
「そんなもん踏めばいいだろ」
『お前、まさかタバコもそうやって捨ててるわけじゃねぇだろうな』
「うわ、土方さんポイ捨てしてるんですか」
「してねぇよ!ちゃんと持ち帰ってるわ!!」
総悟と共に土方をジト目で見つめれば、土方は慌てながら胸ポケットからタバコを捨てる用の入れ物を取り出す。
「持ってるだけで本当はポイ捨てしてるかもしれませんぜ」
「なんでそんな疑われてんの!?」
『普通、紙を燃やすなんて発想に至らねぇだろ。しかも燃えカスを踏んでどうにかするなんて。もしまだ火がついてたらどうするつもりだ。それが原因で民家に着火して火事になったら誰が責任取るんだよ』
土方が持っているライターを奪い取って自分のポケットの中へとしまう。返せとしつこく言われたが、海は土方のことを無視して張り紙剥がしに戻った。
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