第6幕
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「会議中にやかましいんだよ。あの近藤さんが負けるわけねぇだろうが」
漸く土方が口を開いたかと思えば地を這うような低い声。ひたすら隊士たちから一方的な質問攻めを食らっていた土方は不機嫌顔を晒しながらギロりと隊士達を睨んだ。
「誰だ?そんなくだらねぇウワサ垂れ流してんのは」
「沖田隊長がスピーカーで触れ回ってたぜ!」
隊士達が揃って総悟へと指を差す。その先には悠然と茶を飲む総悟が座っていた。
『総悟、お前何やってんだよ』
「俺は正しいことをしただけですぜ。それより海さん、こっちに」
ぽんぽんっと自分の隣に置いてある座布団を叩いて座るように促される。出来れば書類を置いて部屋に戻りたかったが、どうやらそれは許されないらしい。
仕方なく相互の隣へと腰を下ろすと、海の元へと山崎が湯呑みを持ってきた。
「はい、海くん」
『なんで俺にも?』
「さっきまで仕事してたでしょう?。さっき部屋に持っていったんだけど、ノックに気づかないほど集中してたみたいだったから」
『声かけてくれればよかったのに』
「邪魔したら悪いかなって」
だから今渡すね、と山崎は海に湯呑みを手渡す。だが、渡されたのは湯のみだけではなかった。
『山崎?』
「これはみんなに内緒ね」
湯呑みと共に小袋に入った一口サイズのカルメ焼き。それは海がよく疲れた時に食べている甘味。
『……ありがとう』
ぽつりとお礼を呟くと山崎は嬉しそうに笑って元の位置へと戻って行った。
「美味しいんですか?それ」
『疲れてる時に食べると丁度いい甘さなんだよ』
「へぇ……」
『それより、なんで近藤さんの話を言いふらしたんだ』
「面白そうだったんで、つい」
『ついで広めるような話じゃないだろ』
お前のせいでこうなったんだぞと注意すれば、総悟は素直に頭を下げて謝る。自分ではなく土方に謝れと言ったのだが、それは頑なに拒否された。
『誰から聞いたんだ』
「土方さんから聞きやした」
こうなったのは全部土方が悪い。言ってはいけない相手に話してしまったのだから。
『(知らね。自分でどうにかしろ)』
騒ぎ散らしている隊士たちに向かって怒鳴る土方に呆れつつ、海はもらったお茶とお菓子を楽しむことにした。
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